大量のフェイスブックのアカウント情報が、選挙中のトランプ陣営と関連していたイギリスの選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」を通じて、2016年のアメリカ大統領選挙に不正に利用された可能性が浮上しています。
ニューヨーク・タイムズ紙などの報道によりますと、学術目的としてフェイスブックから情報を共有することを許可されたケンブリッジ・アナリティカが、入手したフェイスブックの個人情報を、規約に反した目的で不正に利用した疑いが持たれています。流出した情報はアメリカのフェイスブックのアカウントおよそ5000万人分にのぼり、アメリカ議会では共和民主両党から、プライバシーの問題を追及する声や、情報がどう使われたのかはっきりさせるよう求める、厳しい声が出ています。
問題を告発したクリストファー・ワイリーさんは、4年前、ケンブリッジ・アナリティカの従業員としてデータ収集に関わっていました。ワイリーさんによりますと、収集の方法としては、ユーザーの興味を引くような心理テストを入り口にして、「次にその人のフェイスブックの情報を集め、さらにその人の友達のデータも得る」ということです。フェイスブックに登録されたユーザーの故郷や交友関係、「いいね」の情報などを集めて個人の嗜好を分析したほか、ユーザーの弱点を見極めて巧妙な心理操作を行ったと言います。
ケンブリッジ・アナリティカの出資者、ロバート・マーサー氏は、アメリカ大統領選でトランプ陣営を支持していたことでも知られていますが、ケンブリッジ・アナリティカは、報道されているようなデータは全て破棄したとし、大統領選でも一切利用していないとしています。しかし事態を重く見たフェイスブックは、ケンブリッジ・アナリティカに対し、フェイスブックの利用停止措置をとり、法的手段も検討すると声明を出しています。
The data analytics firm that worked with Donald Trump's election team and the winning Brexit campaign harvested millions of Facebook profiles of US voters, in one of the tech giant's biggest ever data breaches, and used them to build a powerful software program to predict and influence choices at the ballot box.