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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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『リチャード三世』と『十二夜』の交互上演

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あけましておめでとうございます。

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本年度も最新のブロードウェイのミュージカルや演劇の魅力を分かりやすく、

楽しく、元気にお伝えしていきたいと思います。

 

 

三月には 、NYで大成功だった歌謡シャンソンショー

「結婚するってホントですか?」の日本公演もありますので、

NY公演をお見逃しになった、そこのあーた、

今すぐ親切丁寧 IACEトラベル で 御デルタ航空 の帰国便を!

 

 

 

先ずは、超忙しかった私の年末年始のご報告です。

 

飲めや歌えやの、パーリー続きのクリスマスから元旦まで、

記憶に残っているのはキッチンに立っていたことだけ!?

 

お正月に欠かせないおせちの博多雑煮は、

あご、いりこ、昆布、椎茸からお出汁をとり、母の味を再現した、

これぞ世界遺産って感じの本格派!!

 

そりゃー、愛情込めたお料理は心のセラピーと位置づけてる私ではありますが、

さすがに、しばらく料理はいいわーーーーちかれたー。

 

 

 

さて、2014年度の第一弾は・・・・・

前回に続いて、劇聖シェイクスピアのご案内。

それも、今回はシェイクスピア劇のレパートリー公演さー!

 

 

そのレパートリー公演ってなにぞや???ふむふむ

 

 

出たー、久々のトリビア!

 

 

同一キャストが複数の演目を日替わりや週替わりで

上演する公演形態をいうのだよ!

 

 

実はレパートリー上演って意外とポピュラー!

日本では2011年に"ミシマダブル"という企画で

三島由紀夫作『サド侯爵夫人』×『わが友ヒットラー』が上演されたのさ。

 

 

で、今回の『リチャード三世』と『十二夜』の交互上演は、  

同じ役者が日替りで悲劇と喜劇を演じるというすごい試みなのですよ!

 

 

つまり、

『リチャード三世』=悲劇

『十二夜』=喜劇

の対の劇を同一キャストがいかに演じ分けるのか、も見所となるのですねー。

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 「バカ殿ならぬ、バカ女王かっ?」

 

 

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 「やっぱシェイクスピア劇には、奇を衒わず当時の衣装風俗がしっくりくるかもー」

 

 

 

キャストは全員男性

注目はシェイクスピア劇の名優マーク・ライアンス

日本人俳優でいうと・・・歌舞伎の十八代目 中村勘三郎かな???

他の俳優で例えようがないぞー???

 

 

そんな彼が、暗く重たい『リチャード三世』で極悪役に、

ハッピーエンド愉快な劇『十二夜』では

令嬢のオリヴィア役を見事に演じ分けるのさ!

 

 

俳優さんって、よくタイプキャストを嫌って、

幅広い役柄を演じたがるそうだけど、

このレパートリー公演、それもシェークスピア劇となれば

役者冥利に尽きるんじゃななかろうか?

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見どころは・・・

 .

◎名優マーク・ライアンスの演技

 

オリヴィア役の『十二夜』では、

パワーの影に神経質さを垣間見せる繊細な演技で、

女性らしい歩き方も含めて、彼の一挙手一投足は見逃せない!

これって英国版女形の世界やねー!

 

 

『リチャード三世』では、残酷な役なのに、

ちょっと滑稽な......まるでアホの坂田利夫さんみたいな役作り。

この名優による演じ分けは、本作の大いなる見所ヨ!

 

 

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◎演出(イギリス人のシェイクスピア演出家ティム・キャロル)

 

超オーソドックス。

前回ご紹介した、映画俳優イーサン・ホークの『マクベス』では、

あえて奇抜なセットにしたり、国籍不明の衣装など、

「余計な小細工」っぽい演出がどーも今一だったのだけど、

このほうがなんかしっくりくるぅ〜。

 

 

また、シェイクスピアの時代と同じように上演。

女性役も全部男優が演じているし、

シンプルなセットで照明もキャンドル100本のみと見どころいっぱい。

 

 

作品が本来持つ力だけで見せているのに、

舞台と観客がすごくコネクトしているのを感じるのさ。

 

 

シェイクスピア劇の演出はイギリス人に限るっていうことなのかも(笑)。

 

 

 

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「ゆらめくロウソクの光源で、一気に中世へタイムスリップぅ〜」

 

 

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「きゃっ、エリマキトカゲ恐ぁー、と腰抜かすの図(大ウソ)」

 

 

 

とてもオススメの本作。

されどシェイクスピア劇!

「キンキー・ブーツ」を観劇するノリで行っちゃうと、

痛い目にあうことは確実!

 

時代がかった英語を聞き取るのは、至難の業。

観劇の際には現代語訳や映画等で、あらすじをしっかりつかみ、 

有名な台詞をいくつか暗記しておくなど、

周到な予習の後の観劇こそが、

沙翁劇(シェイクスピア劇)鑑賞のお作法ヨ!

 

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、    

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!      

 

トシカプ評:★★★★  

 

 

 

『十二夜』Performance Schedule:

Tuesday @7pm

Wednesday @2pm

Thursday @7pm, Friday and Saturday @8pm

Sunday @3pm

 

『リチャード三世』Performance Schedule:

Wednesday @8pmSaturday @2pm

 

 

公演は2月26日まで

交互公演なので観劇前にスケジュールチェック!

 

 

 

Belasco Theatre

111 West 44th Street

New York, NY 10036

 



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January 3, 2014 9:06 AMComment(0)



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