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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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キャロル・キングの伝記ミュージカル

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ジュークボックス系のミュージカルの草分けと言えば、

ご存知の方も多いと思うが、なんと言っても「マンマ・ミーア」。  

 

ド有名なアーティスト(この場合は70年代伝説のグループABBA) による、

 

誰もが知る、既存の大ヒット曲を数珠つなぎにするだけという、

 

割合安直な設えで爆発的な商業的成功をおさめてしまったんですよー、これが。  

 

 

確かにゼロから始めて、

聞いた事も無いオリジナル・コンテンツで

勝負をかけるというイバラの路を進むよか、

よっぽど楽チンでオイシイ商売だってのは、理解出来るよ。

 

 

案の定、そのヒット以来、出るわ、出るわ、二番煎じ。  

 

 

ビリー・ジョエル

ビーチボーイズ

エルビス・プレスリー

ビートルズ

ブランク・シナトラ

ピーター・アレン

アース・ウィンド・アンド・ファイヤー

グリーン・ディズ

シレルズ(The Shirelles)  など、列挙にいとまが無い。 

 

 

さすがに、ここ数年下火かと思われたが・・

 

 

 

復活の兆し・・・?   

 

 

今シーズンは、ビートルズの「LET IT BE」,   

デューク・エリントンの「アフター・ミッドナイト」、 

ジャニス・ジョプリンの「ジャニス・ジョプリンとの夕べ」と、たて手続き開幕。

 

 

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なんだかねー。 

 

ここまでくると、

 

私も量産されるリサイクル系ミュージカルに多少食傷気味。   

 

過去のジュークボックス系はほとんど観劇したが、 

 

心が揺れ動かされる作品というレベルまで

 

なかなか辿り着くのは、難しいようで・・・  

 

 

ヒット曲コンサートの枠を超えて、

熱く心に訴えかけてくる舞台に仕上がっているのは『ジャージー・ボーイズ」と

.

.

トシ・カプの歌謡シャンソンSHOWくらい・・・♡

.

.

 

 

ところがでアール。

 

このジュークボックス系ながら、終始感動で、

私の目頭を熱くしたのが、

 

今回のキャロル・キングの伝記ミュージカル「ビューティフル」なのさ!

 

 

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実を言うと、本作をNYタイムズ紙は酷評

 

その理由と言うのが、

 

1、『ジャージー・ボーイズ』の二番煎じ。

2、ショーの構成が「ジャージー・ボーイズ」や「モータウン」に酷似。

3、キャロル・キングの曲を盛り過ぎ

4、脚本が、わざとらしく胡散臭い

5、高齢者向け懐メロショー

 

とかなりキツいレビュー・・・

 

 

が、私は声を大にして言いたい!

 

 

1、そんなのプロデューサーの自由。

  同ジャンルで佳作の「ジャージー・ボーイズ」に匹敵またはそれを凌駕するなんてスゴいじゃない?

2、数多あるジューボック系の伝記ミュージカル王道的構成ってことでしょ?

3、キャロル・キングのファンには堪らないを盛ってますが何か?

4、ミュージカルの初心者でも判りやすい脚本

5、高齢者だけでなく、キャロル・キングを知らない世代にも大人気さ!

 

これに加え、私が熱くなったのは、登場人物のリアルさ。

また、キャストの作品に対する熱さが感じられる。

 

 

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見どころ聞きところは・・・・

 

もちろん、キャロル・キングの名曲の数。

まるで音楽の宝箱。

 

70年代から80年代に音楽、デレビ、CM、街中、

どこかで聞いたことのあるキャロル・キングの名曲が

心を揺れ動かし、涙腺を直撃する!

 

 

そんなの当たり前で、本作最大の見どころは・・・

 

 

なんといっても舞台女優ジェシー・ミューラー

 

 

 

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ってっても知らんよね、

この女性 そりゃー、無理もない。 

脇役と代役専門の無名の女優だもの 

そんな彼女が大抜擢されたのが、このキャロル・キング役

 

 

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ジェシー様りは、単なるモノマネを超越して、

駆け出しの頃のキャロル・キングが

ブロードウェイに蘇ったかのよう役作りが出来ているのだよー。

 

若さとかはつらつとした空気を作り出すことに成功してるって感じ! 

こーゆー初々しい感じってのが、見てて大層心地よい。  

 

 

 

キャロル・キングの専売特許??

ピアノの弾き語りをしたあとに、観客に見せる笑顔のシーン。 

ミューラーが演じていると、観客の心が温かくなる。 

 

 

 

それはまるで、

 

激寒なニューヨークの天候を 

 

一瞬にして小春日和に変えてしまうような・・

 

素晴らしいにつきるのだよねー。

 

 

 

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本作の成功の秘密、それは・・・・・

 

 

彼女をキャスティングしたことにつきるかも!?

 

 

私が観劇した日の観客の様子は・・・、

 

団塊の世代の50代以上の方々の多くは超シアワセそうなおカをしていたし、

 

わたしも、久々にほんわかな気分に浸ったよ!

 

NYタイムズ紙に酷評された本作だけれど

 

この人気はしばらく続きそうだーねぇ!?

 

これなら、アメリカツアー、インターナショナルツアーもいけるいける。

日本なら、翻訳上演でも可能なはず。

(本家本元まだ現役だけど・・・)

で、もし私が、翻訳版のキャスティングをするのなら・・・・・

キャロル・キング役は

 

 

 

 

知名度と歌唱力と演技力で

.

.

.

.

満島ひかりさん

 .

.

.

 

 

素直そうな性格の彼女にはぴったりだと思いますが・・・・!?   

 

 

 

みなさん、「ビューティフル」まさしく旬の舞台。

熱いうちに観劇あれー!!

 

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、    

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!  

 

 

トシカプ評:★★★★

 

 

Stephen Sondheim Theatre

124 West 43rd Street

New York, NY 10036



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March 11, 2014 3:51 AMComment(2)



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コメント/comment(2)

はじめまして! この記事には関係ないのですが先日大学の卒業旅行でニューヨークに行ってブロードウェイを見てきました!!事前にチケットを手配したのですが、どのミュージカルを見るか迷ってるときにトシカプさんのブログとララタッチ、参考にさせて頂きました(*^^*) ロングランヒットしてるウィキッドとシカゴ、オリジナルキャストのキンキーブーツとピピンを見ました!率直に、オリジナルキャストで見て大大大正解でした!!!!特にピピンは最初から最後まで最高でした!!最高すぎてもう一回チケットを買って最終日に見ました。ピピンの何もしないまま長い人生を終えたくないという気持ち、とても共感しました。パティーナミラーの踊り、歌も最高!迫力がすごすぎました! ただ、アメリカンジョークなところがあまりついていけず、とても悔しい思いをしました。もっと英語を勉強して絶対またブロードウェイ行きます!! トシカプさんのブログ見てなかったらピピンもキンキーブーツも見てなかったと思います。本当にありがとうございます!!

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