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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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ブラッドリー・クーパーの心の声が聞こえてくる芝居「The Elephant Man」

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不肖ワタクシの年末特別企画「シシーボーイ」

 

皆様のおかげをもちまして、 

大盛況のうちに日本語版を終了することができました! 

 

仕事納めや忘年会で多忙を極める中、

お越し下さった多くの方々に深くお礼申し上げます。  

 

 

次は、来年1月24、25日のバタ臭英語版へ,レッツゴー。 

 

目の肥えた(?)原住民ニューヨーカー達に、

 

日本のシャンソンを引っさげて果たし状

突きつける様で、嬉しい様な怖い様な・・・ 

 

このスリリングな瞬間・・・ 皆さん、お見逃になる手はなくってヨ!

 

 

さて、ご自身の伝記「紫の履歴書」の132ページに  

 

「自分の美貌が恐ろしく憎い」・・

 

と書いてのけた美輪明宏さん  

 

んまーっ、私もそんなこと一度でエエから言うてみたかった・・苦笑  

 

 

イヤーね、人間、どうせ生まれてくるのなら、 

醜く生まれるより美しく生まれる方がいいに決まっているわけで・・・ 

なーんて簡単にいっちゃうと、

 

「なんて軽薄なっ!」

 

ってしかられちゃいそうだけれど、

お金や若さは勿論の事、

美貌が絶大な力を発揮する瞬間を目撃する機会が、

そこいら中に転がっているマンハッタン、

 

 

それもショービズの世界なんかに浸ってると、

そんなスーパーフィシャルな事実も否定し難いわけでして・・・  

そんな或る意味無慈悲な世の中。

 

 

反対に醜く生まれたことで、架せられた十字架、

社会のなかで不運不幸に見舞われ過酷な運命を

たどることも容易に推し量られるわけでして・・・。  

 

まさにそんな残酷な運命を辿った・・・実在の伝説的人物

 

「エレファントマン」

 

その舞台版が、ただいまブロードウェイで絶賛上演中なのさ!

 

 

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主演は・・ハリウッド俳優、ブラッドリー・クーパー

ブロードウェイでの舞台は9年ぶり・・

 

 

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クーパーの舞台デビューは、 

ジュリア・ロバーツ主演の芝居「スリー・デイズ・オブ・レイン」 

当時の彼は、ロバーツの影に隠れ、まったく目立たず が、

映画「ハングオーバー」で大ブレイク。 

今や、押しも押されぬハリウッドの大スター。  

 

 

どっちかつーと、軽めのラブコメやおバカ野郎映画を大ヒットさせて

 

スターダムにのし上がったハリウッドの二枚目俳優が、

 

2作目の芝居にと選んだのが、真逆の超シリアス舞台。 

 

「僕にだって、チャラい色男役ばっかじゃなくて、

 

エンギハのシブーイ役だってできるんだーい!」

 

というクーパーさんの

 

ココロの声

 

聞こえてきそうな役どころじゃなーい?  

 

 

そのチャレンジ精神には敬服 

バーナード・ポメランスのトニー賞受賞作で、

グロテスクな奇形児ゆえに

エレファントマンと呼ばれた実在の青年役。 

 

 

 

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1980年に公開され、

日本でもセンセーションを引き起こした、映画版では、

いかに観客を驚かせるかを考え、施された特殊メイク  

 

 

舞台版は・・・  特殊メイクは無し。

素の顔と体つき 

 

ちなみに一幕はボクサーパンツ一枚だけの裸  

要は、見えざる顔や体の奇形を

演技だけで表現するだけという、

ハイブロウな演出だ。

 

 

 

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大道具のない舞台はガラーンと・・ 多少の小道具だけ 

隠れ蓑がないが故に 

役者と演出家の力量が問わる   

 

台詞も少なく

その存在感と肉内の駆使による

高度な演技力が求められる本作

 

ブラッドリー・クーパーがみせた奇形児、

ジョン・メリックの歪んだ顔と

障害者の歩行演技は、

血の出るような練習した成果?! 

素晴らしかったし、芝居にかける意気込みもよーく伝わって来たが 

心に染みる感動的な演技であったかというところまでは行かず。 

 

特に、エンディングのエレファントマンの横になって

自殺するという重要なシーン。 

残念ながら、その演技にも心打たれることなし。 

次作に期待したい!

 

 

 

所で、劇場側の都合で

話題の再演ミュージカル「SIDE SHOW」がまさかの閉幕宣言

 https://www.fujisankei.com/toshicappuccino/2014/12/sideshow.html

 

スティングのミュージカル「ザ・ラスト・シップ」が

不人気から 生き残りをかけて、スティング本人を投入! 

https://www.fujisankei.com/toshicappuccino/2014/11/thelastship2.html

 

安泰なのは、ハリウッド俳優、

ブラッドリー・クーパー

ヒュー・ジャックマンのお芝居だけ!? 

 

と悲喜こもごもの今シーズンのブロードウェイ。  

結局、有名人というある意味見せ物がいないと

興行が成り立たないのではという 

ブロードウェイにあってはならない状況に

なりつつあるのをかいまみてもうた。 

 

 

 

 

もし、日本で本作を上演するのなら すでに、

藤原竜也様、市原正親様で上演されているが・・ 

 

次作には、

     

 

 

城田優さま 

 

 

 

彼なら、美でもって、醜を演ずると言う、

意想外の演出を生かす事が出来るかもかもーん????       

 

 

 

公演は2月22日までの限定!           

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、         

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。                            

 

 

 

トシカプ評:★★           

 

 

 

Booth Theatre

222 West 45th Street

New York, New York 10036



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December 26, 2014 6:23 AMComment(0)



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