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日本人の両親のもと、アメリカで障害を持って生まれた倉本千璃さん。前の取材から2年後、千璃さんと家族はコロナ禍の中でどう過ごしていたのか、そして、今年18歳になった千璃さんの成長とこれからのことについて家族にお話しを伺いました。
千璃さんは9歳からニューヨーク州のスペシャルスクールで学び、そこで寮生活を送っています。学校では、特別支援教育・スペシャルエデュケーションの先生、理学療法士、視覚障害を持つ子を指導する専門家など専門知識をもったプロフェッショナルが チームとなり、生徒の成長をサポートしています。
初めての取材から2年が経ち、千璃さんは18歳になりました。この間、ニューヨーク州では、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な時期がありました。千璃さんの学校は閉鎖し、面会も中止しました。初めて家族と千璃さんが長期間にわたり、会えない日々が続いたそうです。しかし、パンデミックの中でも千璃さんは学び続けていました。学校への取材から、白杖を使った歩行が上達するなど成長があったことを知れました。
今年6月に千璃さんは学校を卒業しました。学校に入ったころは自力で歩くことができませんでしたが、卒業式では白杖を使って歩く、成長した千璃さんの姿がありました。卒業後、千璃さんは21歳まで今の学校がある施設で生活する予定で、家族はアメリカで千璃さんが次に行く場所を探し始めたそうです。千璃さんの可能性を信じ、伸ばしてくれる環境がアメリカにあると思えると母親の美香さんは話してくれました。
千璃さんが18歳の成人を迎えたことを機に、母親の美香さんはこれまでの歩みを英語で本にしました。 アメリカで千璃さんが出会ってきた人、これから出会う人に千璃さんのことを伝えたいと思ったということです。
本のタイトル『Born(e): A Mother and Daughter's Struggle for Life』
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