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常識も文化も違うアメリカで日本人が子育てをすることは大変なことですが、例えば子供が障害を持って産まれた場合、どうしたらいいのか。
倉本千璃さん(16)は、日本人両親の元、アメリカで生まれ育ちました。生まれつき目がなく、発達に遅れもあり、複数の障害を合わせ持っています。原因は不明です。千璃さんは4人きょうだいの長女です。今は、ニューヨーク州にあるスペシャルスクールの寮で生活しています。
家族は、障害を持って生れてきた千璃さんをアメリカで育てる決意をしました。その理由には、アメリカのサポーティブな周囲の環境、充実した治療、そして教育がありました。特別企画1回目では、家族の葛藤とこれまでの歩みを取材しました。母親の美香さんは、出産後、千璃さんをどう育てていいのか分からないという迷いの中、千璃さんと一緒に命を絶つことも考えたといいます。生まれてすぐの頃は日本にいる自身の親にも娘の障害のことを伝えられずにいました。しかし、夫や下の子供たちの存在、アメリカの障害を持つ人たちに対するオープンな環境の中で少しずつ前に進めるようになりました。母親の美香さんは、千璃さんが元気でいる事を伝えていきたいと、これまでの歩みを本にしました。きょうだいたちは、素直な言葉で千璃さんのことを誇らしげに話してくれました。
千璃さんの学ぶ学校
The Center For Discovery
https://thecenterfordiscovery.org/
「未完の贈り物」(文庫) |
「生まれてくれてありがとう」 |
ディレクター:石川裕子 | プロデューサー:浦部靖己