ジョージア州アトランタのCDC疾病対策センター本部で銃撃事件がありました。容疑者は新型コロナウイルスのワクチン接種で病気になったと信じて逆恨みし、犯行に及んだと見られています。
事件が起きたのは8日金曜日、夕方5時頃です。CDC疾病対策センター本部の向かいの建物から男が銃を発砲していると通報がありました。銃撃によりに現場に駆け付けた警察官1人が死亡、容疑者は犯行現場で自殺しました。CDC職員や民間人に負傷者はありませんでした。
捜査当局によると、容疑者は500発以上の銃弾を発砲し、およそ200発がCDC構内の建物6棟に命中、窓ガラスがひび割れ、穴が開くなどの被害がでました。
容疑者は、パトリック・ジョセフ・ホワイト30歳でライフル銃を含む銃5丁を所持していたということです。捜査当局によると、銃は容疑者の父親が所持していたもので保管庫をこじ開けて持ち出したものとみられています。容疑者に自殺願望があると、事件前に父親が警察に通報していましたが、CDCの襲撃を示唆する兆候はなかったということです。容疑者に犯罪歴はありませんでした。
ジョージア州捜査局クリス・ホゼ局長
「捜査令状で容疑者の家宅捜索が行われ
新型コロナウイルスのワクチンに対する
不満が書かれた手記が見つかりました」
A search warrant executed at the residence of the shooter revealed written documentation that expressed the shooter's discontent with the COVID 19 vaccinations.
捜査当局が入手した容疑者の手記には新型コロナウイルスのワクチン接種を受けて以来、健康状態がよくないと記されており、ワクチンへの不信感と怒りがつづられていたということです。
保健福祉省のロバート・ケネディ・ジュニア長官は11日月曜日に銃撃被害を受けたCDCの建物を視察しました。ケネディ長官は「健康を守るために働く人々が暴力にさらされるべきではない」としています。
新型コロナウイルスのワクチンは、世界的なパンデミックを収束へ向かわせた功績が評価される一方で、陰謀論もまん延しています。そうした中、事件前の先週5日火曜日、ケネディ長官は、新型コロナワクチン開発に用いられた技術であるメッセンジャーRNAワクチン技術を使った5億ドルのワクチン開発プロジェクト22件を打ち切ると発表しました。
保健福祉省
ロバート・ケネディ・ジュニア長官
「新型コロナのmRNAワクチンは
上気道感染症にあまり効果がありません」
"Well, the mRNA vaccines, you know, from COVID, don't work against upper respiratory infections. They don't work very well, let me put it that way.
ケネディ長官は、これまで新型コロナウイルスのワクチンを「史上最も致死的」と呼び、懐疑的な姿勢を見せていました。銃撃事件の容疑者はワクチンに不満を抱いていたとされていますが、ケネディ氏は「動機が十分に明らかになっていない」とし、言及を避けています。