ドナルド・トランプ大統領はFRB・連邦準備制度理事会のリサ・クック理事を解任したと発表しました。住宅ローン詐欺への関与を理由に挙げていますが、クック理事は、解任は違法だとして大統領を訴えています。
トランプ大統領は25日月曜日、FRB・連邦準備制度理事会のリサ・クック理事の解任通知を自身のSNSに投稿し、クック氏を即時に解任すると発表しました。連邦住宅金融局の局長から、クック氏が理事就任前、
1件以上の住宅ローン申請に関して虚偽の申告をしたとの申立てがあったことを解任の理由に挙げています。
これに対しクック氏は同じ日に声明を出し、トランプ大統領は法的に正当な理由がないにも関わらず自分を解任しようとしていると主張。大統領にその権限はないとして、「アメリカ経済を支援するという職務を今後も遂行する」と辞任についても否定しました。FRBは政権から独立した機関という位置付けですが、法律では「正当な理由」があった場合に大統領は理事を解任できるとされていて、不正行為や職務怠慢がそれにあたると考えられています。しかし通常は、理事が嫌疑に反論や弁明をし、証拠が提示されることなどが必要で、今回はその手続きが行われていません。
法廷で争う意向を示していたクック氏は28日木曜日にトランプ大統領を提訴。訴状には、「クック氏解任を企てたトランプ大統領の前例のない違法行為に異議を唱える」と記されています。
ドナルド・トランプ大統領
「もちろん 法廷闘争はつきものだからね 私は何年もの間、歪んだひどい奴らと法廷で戦ってきた/彼女は違反を犯したようだがそれは許されない」
"Oh sure, always. You always have legal fights. Look, I had a legal fight that went on for years with crooked people, with very horrible people
クック氏はバイデン政権下の2022年、黒人女性として初めてFRBの理事に就任し、話題となりました。理事就任前は長年経済学の教授を務め、クリントン政権、ブッシュ政権、オバマ政権でも要職を歴任してきた人物です。
AP通信記者
「多くの人が、この解任によってFRBの政治からの独立性が脅かされるのではないかと懸念しています。大統領はFRBが金利を引き下げないことを頻繁に批判してきました。バイデン大統領に任命されたクック理事を解任できれば、FRBへの統制力を高めることができるでしょう。」
Chris Rugaber, The Associated Press:
Many people worry that this firing would threaten the Fed's independence from day-to-day politics. And the president, of course, has frequently attacked and criticized the Fed for not lowering interest rates. So if he is able to remove Lisa Cook, who was appointed by Joe Biden, then he would be able to assert more control over the Fed.
これまでも、歴代の大統領がFRBの議長と対立したことはありますが、理事の解任を試みたのは今回が初めてですFRB理事の任期は14年間で、クック氏の解任が認められた場合。トランプ大統領が後任を指名してFRB理事会の構成を再編することが可能になると言うことです。
解任をめぐる訴訟は最高裁まで持ち込まれる可能性が高いと見られています。最高裁は、FRBの政権からの独立性について いくつかの例外を設けていますが、それが理事にどう適応されるかは明確ではありません。この訴訟は、7人で構成されるFRB理事会に対するトランプ大統領の権力を試すこれまでに例のない法廷闘争になると見られています。