人気司会者、ジミー・キンメル氏が行った、銃撃され死亡した保守系政治活動家、チャーリー・カーク氏についての発言で放送休止となっていたABCテレビの深夜コメディー番組「ジミー・キンメル・ライブ」が23日(火曜日)から再開されました。放送休止騒動で再開初日の視聴者数はテレビ放送だけで通常の4倍以上の620万人、ストリーミングも含めて史上最高となりました。
司会のキンメル氏は再会した番組内で、カーク氏の殺害を軽視する意図はなかったとし、遺族らに謝罪すると同時に、FCC連邦通信委員会の委員長が放送免許を取り消す可能性を示唆し圧力をかけたことを取り上げアメリカの言論の自由が危ぶまれているとして痛烈に批判しました。
人気司会者、ジミー・キンメル氏が自身の番組で、チャーリー・カーク氏銃撃事件について、保守のMAGA勢力が左派を攻撃する材料にしていると発言したことを受けて、トランプ大統領が指名したFCC連邦通信委員会のブレンダン・カー委員長が17日、保守系ポッドキャストでキンメル氏の番組を続けるのならばABCテレビの放送免許を剥奪することを示唆する発言をしたことで騒動は始まりました。
AP通信
デイブ・ボウダー記者
「ネクスターもディズニーもFCCの認可が必要な案件があるのです
(トランプ政権は)政治的な圧力で深夜番組業界を席巻しています」
Dave Bauder, The Associated Press:
“Both Nextar and ABC's parent company, Disney, have matters before the FCC needing regulatory approval. So it shows how political pressure, is now cutting a swath through late night television.”
ウォルトディズニー傘下のABCテレビは「ジミー・キンメル・ライブ」の無期限放送休止を発表しました。ABCテレビの全米各地のローカルテレビ局を多く所有するネクスターメディアグループがFCCの認可が必要な大型合併を進めているところで、それが番組休止の判断に影響を及ぼしたとされています。
トランプ大統領もこの判断を歓迎しました。
ドナルド・トランプ大統領(9/22)
「キンメルには2つ問題がある
一つはチャーリーについてひどいことを言った
同時に才能もないし視聴率も悪い
致命的だ」
Jimmy Kimmel suffers from two things. First of all, he said a terrible thing about Charlie. But he also suffers from the fact that he's got no talent and he's got no ratings. A deadly combination. That's deadly. All right?"
トランプ大統領はこれまでも政権に対する批判的な報道をするメディアに対し訴訟を起こしたり免許の剥奪を示唆してきました。しかし人気番組、「ジミー・キンメル・ライブ」が放送休止に至ったことで全米に衝撃が走り、言論の自由についての論争が巻き起こりました。キンメル氏の番組が収録されていたビルの前では多くの人が集まり抗議の声をあげました。
共和党 からも批判する声が出ており、共和党テッド・クルーズ上院議員もこれはマフィアの脅迫と同じで、これを許せばいつか自分に同じ不幸が降りかかってくるとして警鐘を鳴らしました。共和党の重鎮、ミッチ・マコネル上院議員もこれに賛同しています。
番組が再開したことにトランプ大統領はSNSでABCテレビを激しく非難し、今後ABCテレビを法的に訴える可能性を示唆しました。
ドナルド・トランプ大統領
「ニュース番組は報道の97%が私を批判しているという数字が出ている
素晴らしいニュースを悪く伝えるんだ
個人的にこれは違法だと思っている
そのように国家の電波を無料で使うことは許されない」
the newscast are against me. The stories they said 97% bad. So they gave me 97 - they will take a great story and they'll make it bad. See I think that is really illegal personally. You can't take, you can't have a free02 airwaves - you are getting free airwaves from the United States government
アメリカでは深夜に政治風刺で笑いをとるコメディーショーが放送され、そうした番組がいくつもあります。中でも「ジミー・キンメル・ライブ」は20年以上続く人気番組で、他の番組同様トランプ大統領とトランプ政権は格好の題材となっています。
トランプ政権の国防総省もメディアに対し国務省が認可しない情報を報道しないよう誓約書にサインさせると発表しメディアに対する締め付けを強めています。メディアはこれを違法として裁判所に訴えを起こしています。今後さらに政権によるメディアの締め付けが増すことが予想されています。