就任1カ月足らずで解任されたCDC疾病対策センターの元所長がケネディー厚生長官との当時のやりとりなど、解任に至った経緯を議会で証言しました。
17日水曜日、元CDCの所長、スーザン・モナレズ氏は議会上院の保険委員会でロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官の指示を拒否したことが解任された理由だと述べました。
元CDC所長
スーザン・モナレズ氏
「科学的データの有無にかかわらず
ワクチンに関する諮問委員会の判断を
事前に全て承認するよう
長官から指示されました
またワクチン方針に関わる高官を
理由もなく解雇するよう指示されました
長官はその両方を拒むのであれば
辞任すべきだと言いました
データを精査していないせずに推奨を承認できないし
科学の専門家を解雇する根拠がないと言いました 」
モナレズ氏は7月31日にCDCの所長に就任しましたが、先月27日、就任後 1カ月足らずで解任されました。ケネディ長官は6月にワクチンの安全性や予防接種の必要性を判断する CDCの諮問委員会の委員17人を全員解任し、自らが選択したワクチン反対派に入れ替えています。
上院保険委員長で医師でもある共和党のビル・キャシディ議員はワクチンに関する 諮問委員会の判断を裏付ける科学的なデータの有無について改めて質問しました。
共和党
ビル・キャシディ上院議員
「厚生長官は諮問委員会の判断を裏付ける
科学的データをあなたに提示しましたか? 」
元CDC所長
スーザン・モナレズ氏
「何もありませんでした
長官は子供の予防接種の時期に関する
科学的なデータは存在しないと言い
参照可能な安全性に関するデータを
CDCが収集したことは一度もないと言いました」
共和党
ビル・キャシディ上院議員
「科学的データがないと明言したのに
予防接種の時期の変更を求めたのですか? 」
元CDC所長
スーザン・モナレズ氏
「そうです」
CDCのワクチンに関する諮問員会は、18日木曜日の会合ではしか、おたふく風邪、風疹、水疱瘡の4種混合ワクチンについて今後は4歳以下への接種は推奨しないとし、3種混合と水疱瘡のワクチンを別々に接種することを推奨するとしました。
新生児に接種されるB型肝炎ワクチンや新型コロナウイルのワクチンなどについても19日金曜日に話し合われる予定です。
モナレズ氏とともに証言した元CDC最高医療責任者は、はしかに罹患した数年後に脳炎で死亡した子供の事例をあげ、予防接種を受けなければ長期的な影響がでると警告し、子供たちが死ぬことを望まないと訴えました。
18日(木曜日)アメリカ小児科学会がCDCの諮問委員会は信頼できないとしてその推奨に耳を貸さないように呼びかけました。子供の医療に関する情報について何を信じていいのか保護者の間で混乱が生じることは免れないと見られています。