緊急通報した女性が駆けつけた警察官に射殺された事件で、殺人罪に問われた元警官の裁判で、求刑されていた第1級罪は退けられ第2級殺人罪での有罪評決が出ました。公開された事件当日、現場に向かった2人の警官がつけていたボディーカメラ映像では射殺された経緯が映し出されており衝撃が広がりました。女性は精神疾患を患っており、警察官はその事実を知らずに対応していたことも明らかになっています。(30)
イリノイ州スプリングフィールドで去年7月6日未明(午前1時ごろ)、36歳の黒人女性ソニア・マッシーさんの家から、家のまわりに不審な人物がいると警察に通報がありました。駆けつけたのはショーン・グレイソン被告(31歳)ともう1人の警察官です。まず家周辺の見回りを行い安全を確認しました。
ドアをノックしてマッシーさんと直接話をしようとしますが、ドアを開けるまで時間がかかります。
警官「シェリフからだ。通報したでしょ」
家の中でマッシーさんの名前を聞くとマッシーさんは他のことに気を取られているようでしばらく答えることができません。
警官「苗字は?」
警官「苗字は?」
ソニア・マッシーさん「マッシー」
警官「身分証を見せてください」
そしてキッチンで鍋が火にかかっていて水が沸騰していたのでグレイソン被告が火を止めるよういいます。
「火事は起こしたくなからね」マッシーさん消しに行く
マッシーさんは言われた通りガス台に行き火を止めて、鍋を持ちあげます。
グレイソン被告がそれを見て後退りしたことにマッシーさんが少し笑う様子がみられ、落ち着いて冗談を言あっているようにみえますが...
ソニア・マッシーさん
「イエスの名によってあなたを戒める」
「I rebuke you in the name of Jesus」
この宗教的な表現をマッシーさんが使うと突然、 グレイソン被告が怒りを見せ銃を抜きます。
グレイソン被告「Just fired」「発砲した」
撃たれる直前にマッシーさんは、銃を向ける警官に「ごめんなさい」と謝りながら、ひざまづいており、イリノイ州警察はこの状況でグレイソン被告が銃を使用したのは正当化できないとの判断を下しました。被告は第一級殺人罪などで起訴され、その後懲戒免職となりました。
グレイソン被告は無罪を主張し、マッシーさんが鍋を下さなかったので沸騰したお湯をかけられると思い、身のキケンを感じて発砲したとしています。
マッシーさんは精神疾患を患っており、マッシーさんの母親が数日前から警察に連絡し精神疾患で混乱しているが自分や他人に危害を加えることはないと報告しています。その情報は事件当時グレイソン被告には伝わっていませんでした。
29日水曜日、陪審団は、グレイソン被告を第一級殺人ではなく、第2級殺人で有罪としました。最大20年の禁固刑、または保護観察処分となります。
マッシーさんの遺族らは裁判所前で刑が軽すぎるとして抗議しました。 量刑は、来年月に言い渡される予定です。