アメリカの大学でまた銃による犠牲者です。アイビーリーグの1つであるブラウン大学で先週末、銃撃事件が発生し、11人が死傷しました。
ロードアイランド州のブラウン大学で13日土曜日の午後4時ごろ、銃撃事件が発生しました。これにより2人が死亡。銃弾を受けた8人を含め9人が負傷しました、大学によりますと、11人の死傷者は全て学生だったということです。
事件が起きたのは工学部や物理学部の教室が入る7階建てのビルの1階で、当時期末試験に向けた授業がおこなわれていました。事件発生後、ブラウン大学の構内だけではなく、その周辺地域にも屋内退避が呼びかけられました。捜査当局は犯人と見られる人物が映った防犯カメラ映像を公開し、翌14日、20代の男性を重要参考人として拘束したと発表。屋内退避も解除されましたが、その日の夜遅くに行われた会見では、拘束し続ける根拠がないとして、男性を釈放すると発表しました。
ロードアイランド州 ピーター・ネロー二ャ司法長官
「このような捜査にはあることです。長年この仕事に従事してきたので分かりますが、ある方向に進んでもすぐに方向転換しなければならない。それがまさにこの24時間ほどの間に起こっているのです」
地元当局とFBI・連邦捜査局は16日(火曜日)、犯人と見られる人物が映ったさらなる防犯カメラ映像や、事件の日を時系列で並べた映像を公開。当局は、犯人は事件前、周辺を物色していたと見られるとして、地域住民に、怪しい人物をとらえた映像がないか、防犯カメラ映像を確認するようよびかけました。
そして18日夜、捜査当局は事件の容疑者として捜索していた48歳の男がニューハンプシャー州の倉庫で遺体で発見されたと発表しました。男はポルトガル国籍で以前ブラウン大学に在籍していたことがあるということです。死因は自殺と見られています。当局は、今週初めに自宅で撃たれて死亡したマサチューセッツ工科大学の教授の事件との関連も含めて捜査を続けています。
この事件をめぐっては、発生から数日が経過しても犯人の有力な手がかりが得られず、防犯カメラ映像や物的証拠を探すなどの基本的な捜査が行われていたことなどから、学生や地域住民は、大学の警備システムや防犯カメラシステムの不備が犯人を逃すことにつながったと不満を募らせていました。銃乱射事件などの脅威からキャンパスを守るため大学はより一層の対策を講じる必要があるとの声もあり、構内の警備強化を求める署名活動が行われたということです。
一方、ブラウン大学の学長は、大学は学生の安全や健康のために深く尽力しているとした上で、キャンパス内には1200台の防犯カメラが設置されていると釈明しています。しかし、今回事件があったビルは古い建物だったため、防犯カメラはほとんど設置されていなかったということです