ソマリア系コミュニティをターゲットに大規模な移民摘発が行われていたミネソタ州で先週、ICE・移民税関捜査局の職員に女性が撃たれて死亡した事件を受けて、連邦当局と地元当局、住民との対立が激化しています。
今月7日、大規模な移民取り締まりが行われていたミネアポリスで、抗議活動に参加していたレネー・ニコル・グッドさんがICE職員に射殺された事件を受け、先週末にはミネソタ州をはじめアメリカ各地で抗議活動が行われました。
トランプ大統領が推し進める強硬な移民取り締まりへの、人々の不満を改めて高める結果となったこの事件について、トランプ政権は発生直後から、発砲はICE職員の正当防衛だったとし、死亡したグッドさんの行動を「国内テロ行為」と呼んで辛辣な発言を繰り返しています。
キャロライン・レビット報道官
政権は、ミネアポリスの職員を含む、ICEの勇敢な男女を心から支持し続けます。彼は、法執行活動に介入し妨害する集団、組織化された集団の一員であった異常者に対し、自己防衛を行使したのです。
事件の捜査は当初、FBI・連邦捜査局と地元の捜査機関が協力して行う予定でしたが、州当局はその後、FBIが突如方針を変え、州の捜査機関が捜査に参加するのを阻止したと発表しました。この理由を問われた国土安全保障省のノーム長官は、州の捜査官は、地元住民の連邦職員への嫌がらせや暴力の煽動を容認していると非難。一方で州当局は、トランプ政権の面々がグッドさんを「テロリスト」扱いしていることを挙げ、連邦当局の捜査が公正なものにならない可能性を懸念するなど、お互いへの不信感が浮き彫りになっています。
また、捜査を主導するミネソタ州連邦検事局の検察官6人が、発砲したICE職員ではなく、グッドさんとその周囲の人々について捜査するよう 司法省高官から強く求められたことを受けて13日に辞任したことも明らかになるなど、事件の影響は広がり続けています。
一方、ミネアポリスやその周辺地域での主にソマリア系移民を対象にした取り締まりは事件後も行われていて、抗議する住民に向かって連邦職員が催涙スプレーを噴射するなど、対立は悪化の一途を辿っています。そんな中14日水曜日には、シャベルとホウキを手に襲いかかった男性の脚を連邦職員が銃撃する事件も発生し、住民は移民取り締まりに対する恐怖と怒りをますます募らせています。地元当局はICEなどの連邦職員の撤退を求めていますが、トランプ政権は、当初動員された2000人に加え、およそ1000人のCBP・税関・国境警備局の職員を追加で派遣するとしています。
13日の演説では、大規模取り締まりへの抗議活動は何者かに指示された「偽の暴動だ」と語ったトランプ大統領は、ミネソタ州での取り締まりでは何百人もの凶悪犯を拘束したとして、政権はそういった人物を国外追放したいだけだと述べました。
ドナルド・トランプ大統領
「彼らを追い出す。すでに大勢追い出したが、さらに追い出す。そして、ソマリアなど他国からの帰化移民で、米国民を欺いた罪で有罪になった者は、市民権を剥奪する。彼らをここから一刻も早く追い出すつもりだ。」
トランプ政権はまた、アメリカに避難しているソマリア人の滞在を認める一時保護資格を3月17日に終了すると発表。ノーム長官は自身のSNSで、「ソマリアの状況は改善し、一時保護のステータスの要件を満たさなくなった」。「ソマリア国民の滞在を認めることはアメリカの国益に反する」とした上で「アメリカ国民を第一に考える」と投稿しています。
抗議活動の激化を受けてトランプ大統領は「反乱法」を発動し、連邦軍をミネアポリスに派兵する可能性を警告しています。ティム・ウォルズミネソタ州知事は州兵に出動準備を命じており、州と連邦政府の対立は深刻化しています。
バンス副大統領や国土安全保障省はICE職員は絶対的免責特権で保護されているとしており、こうしたメッセージが職員による銃撃や乱暴な取り締まりが増える要因になっているという声も出ています。