麻しん、いわゆる「はしか」の感染がアメリカで拡大しています。 一部の専門家は、ワクチン接種に関する情報の混乱(錯そう)が感染拡大を招いたとみています。
2000年にWHO・世界保健機構により、アメリカでははしかが「排除状態」にあると認定されました。しかし、去年(2025年に)2280人の感染が確認され、1991年以来最多となりました。今年に入ってまだ2カ月もたっていませんが、これまでに全米で910人の感染が確認されています。
はしかは感染力が強く、はじめに発熱や咳、鼻水、といった風邪のような症状がでて、その数日後に高熱と発しんが現れます。中耳炎や肺炎などの合併症を引き起こす可能性もあります。
今年に入って感染は24州で確認されており、特に感染拡大が深刻なサウスカロライナ州では616人の感染が確認されました。サウスカロライナ州でははしかのワクチン接種を促すため、移動診療所を設けています。子どものワクチン接種に訪れた母親は…
子どものワクチン接種に訪れた母親
「ワクチンが自閉症を引き起こすのかどうか
情報が錯そうしていました
子供にワクチンを接種させたら
自閉症を引き起こすかもと恐れていました
何を信じればいいのか分かりません」
今年感染が確認された910人のうち94%はワクチン未接種で、83%が19歳以下でした。CDC疾病対策センターは6歳までにMMRと呼ばれるはしか、風疹、おたふくかぜの3種混合ワクチンの2回接種を推奨しており、はしかはワクチンで97%予防できるとしています。
一方、ケネディ厚生長官はワクチンに懐疑的で知られており、これまで子供のワクチン接種が自閉症に関連しているという科学的根拠に反する主張を繰り返してきました。去年11月に更新されたCDCのウェブサイトには、「ワクチンは自閉症を引き起こさない」という主張は「証拠に基づかない」という見解に書き換えられていました。
小児感染症の専門家 エイミー・エドワード医師
「全米ではしかの感染が拡大していますが
MMR ワクチンを含む小児用ワクチン接種を
受ける子どもが少なくなっているからです」
病原体に対する免疫を持つ人が一定割合になると、その感染症が広がりにくくなる状態を集団免疫といいます。その集団免疫を得るためには、はしかの場合、人口のおよそ:95%が2回のワクチン接種を受ける必要があると考えられコロナ禍前のアメリカはこれを達成していました。ています(19)しかし、CDCによると幼稚園児のMMRワクチン接種率はコロナ禍以降減少し、2024年~2025年の学年度では92.5%にとどまりました。
専門家らは、改めてワクチン接種の必要性を訴えています。
小児感染症の専門家 エイミー・エドワード医師
「ワクチンのガイドラインは変更されましたが
現時点でワクチンは接種可能で保険適用です
多くの混乱が生じています
接種できないと思っている人もいますが
事実ではありません」
アメリカでのはしかの感染拡大は去年1月から続いており、12ヶ月以上にわたり国内での継続的な感染拡大が見られる場合、「はしか排除」の認定を失う可能性があります。