トランプ政権の是非を問うものになると言われる地方選挙の投開票が4日火曜日、アメリカ各地で行われました。
ニューヨーク市やバージニア州などで4日(火曜日)に行われた地方選挙は、トランプ政権2期目になって初めての大型選挙で、来年行われる中間選挙を前に、トランプ政権への国民の評価を示すものになると注目されていました。
ニューヨーク市長選挙では、6月の民主党の予備選挙でアンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事などを破った州議会議員、ゾーラン・マムダニ氏が無所属で出馬したクオモ氏に再び勝利。自らを民主社会主義者と称するマムダニ氏は、わずか1年前にはほぼ無名でしたが、今では全米で最も注目される政治家の1人になったと報じられています。
ゾーラン・マムダニ次期NY市長
「この政治的な暗闇の中、ニューヨークは光となるでしょう/ドナルド・トランプに裏切られた国に彼を倒す方法を示せるのは、彼を生み出したこの街です。」
After all, if anyone can show a nation betrayed by Donald Trump how to defeat him, it is the city that gave rise to him.」
幼少期にアメリカに移住したマムダニ氏は、ニューヨーク市初のイスラム教徒の市長であると共に、初めての南アジア系でアフリカ生まれの市長になります。
ニュージャージー州で行われた知事選では、民主党のマイキー・シェリル下院議員が、トランプ大統領の支持を受けた共和党のジャック・チャタレリ氏に勝利。
バージニア州の知事選では前下院議員の民主党候補、アビゲイル・スパンバーガー氏が共和党のウィンサム・アールシアーズ副知事を破りました。近年、右派に傾く兆しがあったと言われるニュージャージー州を含む3つの大型地方選挙で民主党が勝利した形です。
トム・カーン 議会・大統領研究センター所長
「有権者は民主党を圧倒的に支持し、トランプ政権の政策を非難したのでしょう/これはまさにホワイトハウスへの警鐘です。共和党がどう反応するのか注視しなければなりません」
“Tom Kahn, Center for Congressional and Presidential Studies director:
The voters gave a resounding endorsement of Democrats and I think a rebuke of the Trump administration's policies. This is really a warning light to the White House. And how will Republicans react to it? We'll have to see.”
同じ日、カリフォルニア州では、連邦議会下院の選挙区における区割り変更の是非を問う住民投票が行われ、民主党に有利な選挙区割り案が承認されました。
これは、テキサス州など共和党が地盤とする州が、トランプ大統領の支持を受け来年の中間選挙に向けて、共和党に有利な選挙区を増やすため、区割りの変更を進めていることに対抗して行われたものです。新たな区割り案が承認されたことで、民主党はカリフォルニア州で有利な選挙区を5つ増やし、最大で5議席を追加で獲得する見通しになります。
ギャビン・ニューサムカリフォルニア州知事
「今夜の勝利は民主党だけでなく、アメリカ合衆国、国民、そして建国の父たちが生き、命をかけて守ってきた理念の勝利でもあります。」
Gov. Gavin Newsom, (D) California:
“it was not just a victory tonight for the Democratic Party, it was a victory for the United States of America, for a the people of this country and the principles that our founding fathers lived and died for.”
ニューサム知事はこの区割り変更を、トランプ大統領に反撃し、アメリカの民主主義を守るためには不可欠な手段と位置付けていて、この投票結果は次の民主党大統領候補とも目されるニューサム知事の政治的な勝利を意味するものだと言われています。