動物園のチンパンジーに深刻で非常に珍しい腫瘍が脊髄に発見され人間の病院の外科医が手術を執刀しました。人間の医師が動物の神経外科手術を担当するのは記録上初めてで注目されています。
その結果は...
テネシー州のズー・ノックスビルにいるチンパンジー、ルー34歳。足を引きひきずる仕草を見せ、検査を行ったところ神経を圧迫している腫瘍が脊髄に発見されました。
テネシー大学獣医科
タリーシャ・ムーア神経系獣医師
「あの状態では群の中でも生きていけない可能性が高いです」
Dr. Talisha Moore, Veterinary Neurosurgeon at The University of Tennessee College of Veterinary Medicine:
"I am not sure that he would survive in the troop that way either."
しかしこのような腫瘍摘出手術をチンパンジーに施した前例はなく人間の医師に相談。すると人間でも非常に珍しいケースだということが明らかになり、人間の医師と獣医が共同で執刀し先月19日、手術を敢行することになりました。
テネシー大学メディカル・センター
ジェームズ・キレファー神経外科医
「腫瘍は脊髄が通る管の中で脊髄を圧迫していたので背中を切開しました」
Dr. James A. Killeffer, Neurosurgeon at University of Tennessee Medical Center:
"Tumor itself was inside of the spinal canal where the spinal cord goes and it was pushing on the spinal chord. So what we did was make an incision in the back."
手術は順調に進み腫瘍も無事摘出しました。その後の検査でルーの腫瘍は良性で癌は検出されなかったということです。
そしてルーは...というと隔離施設で順調に回復。 術後の経過を見守る飼育がかりを独り占めにしてご満悦な様子だということです。