トランプ大統領がロサンゼルス、そしてワシントンDCに続き、イリノイ州シカゴに州兵を派遣すると明言しました。
イリノイ州シカゴは、アメリカ第3の都市で、一部の地域は犯罪が多いことで知られています。シカゴの凶悪犯罪は減少傾向にあるものの去年シカゴでは573件の殺人事件が発生しており、トランプ政権によると13年連続、全米で殺人事件が最も多い都市になっています。そうした中、2日火曜日、トランプ大統領は犯罪対策としてシカゴに州兵を派遣すると明言しました。
ドナルド・トランプ大統領
「今のシカゴは地獄のようです
Chicago is a hellhole right now.
「イリノイ州知事が連絡をくれたら
州兵を派遣します
連絡がなくても派遣します
国を守る義務があります」
If the governor of Illinois would call up, call me up, I would love to do it. We're going to do it anyway. We have the right to do because I have an obligation to protect this country.
具体的な日程は、明確にしていません。トランプ大統領の発言の直後、イリノイ州のプリツカー知事は即座に会見を行い、反発する意向を示しました。
イリノイ州知事
「大統領に派遣を依頼する連絡はしません
すでに明確にしてきました」
No, I will not call the President asking him to send troops to Chicago. I've made that clear already."
トランプ大統領は、今年6月、カリフォルニア州ロサンゼルスで滞在資格のない移民の一斉摘発に対する抗議デモに対応するためとして大統領権限で州兵を派遣しました。ロサンゼルスには一時、州兵4000人と海兵隊員700人が配備され、現在も300人が活動しています。これに対し、カリフォルニア州は差し止めを求めて連邦地裁に訴えを起こしていましたが、2日火曜日、裁判所は州兵の一部活動について違法だと判断しました。
また、トランプ大統領は、先月、治安対策を理由にワシントンD.C.に州兵を派遣し、警察当局を連邦政府の指揮下におきました。ワシントンDCはこれに異議を唱え、4日木曜日、連邦地裁にトランプ政権を提訴しました。
州兵の派遣についてトランプ大統領は、政治的な意図はないとしていますが、シカゴの他、メリーランド州ボルチモアにも州兵を派遣する姿勢をみせており、民主党所属の知事や市長がいる都市に連邦政府が介入するための口実だという見方もでています。