トランプ大統領は選挙戦中に、支持者から集めた選挙資金を私的に流用したなどとして今年4月に禁錮7年3ヶ月を言い渡され服役していたジョージ・サントス元下院議員を減刑し、刑務所から釈放しました。
ジョージ・サントス氏は2022年の選挙でニューヨーク州選出の共和党候補として出馬し、当選した元下院議員です。当選直後に学歴、職歴、家族の出身地など ありとあらゆる経歴詐称が判明し下院から異例の除名処分となりました。(22”) そしてその後の裁判では、高級ブランド店での買い物や美容医療のボトックス注射などに選挙資金を使った不正流用や、家族を含めた少なくとも11人の名義を無断で使用し自身の選挙陣営に寄付を送るなど個人情報を盗んだ罪などで禁錮7年3ヶ月の実刑判決と、被害者に対しおよそ60万ドル近くの賠償金の支払いを命じられ今年7月から服役していました。
サントス氏の入所から3ヶ月、トランプ大統領は17日(金曜日)、サントス氏の減刑に署名したとして、ただちに釈放するとSNSに投稿しました。
その理由としてトランプ大統領は、今月上旬に行われた公聴会でボンディ司法長官を厳しく追及した民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員を引き合いに出し、(14”)2010年の選挙運動中にブルーメンソール上院議員がベトナム戦争に従軍したと事実とはことなる発言をしたことは、サントス氏よりはるかに悪質だということ。またサントス氏は常に共和党に票を投じる賢さを持っているとしています。
トランプ大統領によって署名された書類には禁固刑だけではなく賠償金など付属する全ての条件から解放すると記されており、今後被害者に対する返済が行われない可能性も出てきています。
サントス氏は釈放2日後には主要テレビ局の番組に出演しトランプ大統領に謝意を伝えるとともに、法廷で命じられた賠償金については「法律上求められるなら支払う」とし、進んで返却することはしない意向をしめしています。
有罪判決を受けた犯罪行為とは別に選挙運動中のサントス氏は、ブラジル出身であるにもかかわらず母方の祖父母がユダヤ人で第二次世界大戦中、ナチスドイツから逃れた、とか
当時ニューヨークにいなかった母親が911同時多発テロで攻撃されたビルから逃げ出したなどと事実とは異なる作り話をしており、その派手な内容でも全米を騒がせていました。