ニューヨークの地下鉄車内で黒人男性の首を圧迫し死亡させたとして過失致死罪などに問われていた元海兵隊員の白人男性に無罪評決が言い渡されました。
去年5月、ニューヨークの地下鉄車内でジョーダン・ニーリーさん当時(30歳)がたまたま乗り合わせた元海兵隊員ダニエル・ペニーさん(24歳)に首を圧迫され死亡した事件。ペニーさんの弁護側は、ニーリーさんはホームレスで精神疾患を抱えており事件当時合成大麻を使用しており車内で大きな声で他の乗客に罵声を浴びせていたと主張。そして女性が数人座っていた席の方に向かったためペニーさんはニーリーさんを床に押し付け首に腕を回し動けないようにしたとしています。その後ペニーさんはおよそ6分間ニーリーさんの首を圧迫し次の駅に到着するまでその体制を崩しませんでした。検察側は、ペニーさんはニーリーさんが動かなくなったあとも1分以上首を圧迫し続けており必要以上の暴力でニーリーさんを死に至らしめたと主張していました。一方の弁護側は、ペニーさんは他の乗客と自分を守るためにニーリーさんを押さえつけ、殺す意図はなかったのと、ニーリーさんの死因は合成大麻による統合失調症によるものだとして無罪を主張していました。
警察官
「この男は乱暴な態度をとっていたということですか」
ダニエル・ペニーさん
「暴れてみんなを脅していたんだ」
法律アナリスト・ブライアン・バックマイアー氏
「陪審団は犯罪の要素よりもペニー氏の行動は正しかったという判断を下したのでしょう電車にペニー氏のような人が一緒に乗っていてほしいということです」
しかしこの判断は賛否両論で裁判所の外でも、被告を擁護する人々と、過剰な暴力に反対する人たちが対立しました。ニーリーさんの父親は判決の後の会見で裁判所の判断を非難し怒りと悲しみをあらわにしました。
死亡したジョーダン・ニーリーさんの父親アンドレ・ザッカリーさん
「息子も私もこんな目に遭う必要はなかったとても辛いです これは八百長です」