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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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新作「アフター・ミッドナイト」

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おともだちがブロードウェイに出演してるなんてちょっとカッコよくないっかぁ!?

そう、今まさに、その晴れの舞台を立っているのがエベレット・ブラッドリー。

オフ・ブロードウェイの人気パフォーマンスグループ「ストンプ」の日本公演で

一緒に仕事のした私のお仲間なのさ!

 

 

ココで爆弾発言。

実は彼とはちょこっとデートした事が・・・汗

 

 

Everett1.jpg

 

 

黒ブチのメガネをかけて金色のジャケットを黒人男性がエベレット。

グラミー賞ノミネートのソングライターで、パカッショ二ストでもあり、

ブルース・スプリングスティーン率いるE Street Bandのひとりでもあるクリエイターでもあるのさ。

 

 

そのエベレットが出演しているのが、

今回ご紹介するジャズ満載のミュージカル・レビュー「アフター・ミッドナイト」 。

 昨年末、NYシティ・センターで大好評となった期間限定公演「コットンクラブ・パレード」が

タイトルを変えてブロードウェイ入りしたわけだ。 

 

 

The_cast2.jpg

 

 

さて、ジャズ界を代表するミュージシャンと言えば、

 

ルイ・アームストロング・・・HONDAのCMソングといえば「What a Wonderful World」さ!

 

デューク・エリントン・・・  やっぱ、ピアノのイントロと軽快なリズムが強烈な記憶に残る「A列車で行こう」

 

ナット・キング・コール・・・「そっとおやすみ」じゃなく、名曲「スターダスト」は永遠の名曲やね

 

綾戸 智恵・・・十八番は、浪速のおばちゃん風の「ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド」

 

 

 

新作「アフター・ミッドナイト」の題材となったのが、"ジャズの神様"デューク・エリントン。

 

 

本作では、選りすぐりのジャズ・プレイヤー16名のひな壇を舞台上に再現。

観客をスイング・ジャズ全盛時代の1920年から30年代の

NYハーレムのナイトクラブ「コットンクラブ」にタイムスリップさせるのさ。

 

 

スタンダード・ジャズをバックに歌い踊るのは25名の歌手とダンサーたち。

エベレット・ブラッドリーはまさにその一人。

巨体揺らしながら、お茶目なキャラで観客を沸かせるのさー。

 

 

期間限定出演でショーを盛り上げるのは

人気オーディション番組、 アメリカン・アイドル出身の女性シンガー、 ファンテイジア。

ジャズも見事に歌いこなす彼女の歌唱力は突出している、さすが!

 

Fantasia3.jpg

 

ちなみにファンテイジアの出演は来年2月まで、

彼女の降板後は、ケイ・ディー・ラング、ベイビーフェイス、トニー・ブラックストンなど

有名どころの出演が予定されている。

そのあとは???

 

 

 

見どころは、

 

◎デューク・エリントンの音楽はもちろん、映画「オズの魔法」"虹の彼方"の作曲者ヘラルド・アーリンなど

 ジャズの満干全席を堪能出来る!

 それらを演奏するリンカーンセンター専属のジャズの達人16名の巧みの技も見逃せないのだー。

 ある意味、このショーのスターは音楽やね!

 

 

James4.jpg

 

 

◎バラエティに富んだショーケース・スタイルのダンスも目玉。

 タップ、ストリート・ダンス、バレエなど、色々な要素をミックスしたシアターダンスが次から次へと。

 ダンスの権威、大澄賢也様には是非見て頂きたいね!

 

 

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◎英語が苦手な外国人には優しい、言葉のバリアフリー。

 ジャズ演奏と歌、ビジュアルでも楽しめるから日本人にもとっても優しいショーなのさ。

 

 

6.jpg

 

 

で、その出来は???

 

いいねー。

いいのよねー、デューク・エリントンの音楽とダンスは!

 

 

しかし

 

 

盛りだくさんなんだけれど、キョーレツな印象が残るという場面があるわけでもないのだね。

すべてがコジンマリまとまりすぎてて、驚きがない。

この際だから、はっきり言わせて頂きまーす。

足りないのは創造性の欠如。

私がいつも言うように、1+1=2のまんまじゃダメ。

そこに何らかの神反応が加わり1+1が20になるわけで・・・

デューク・エリントンの音楽だけでなく、

故人の人間臭い部分も描かれていたら、より一層の感動があったかもねー。

 

 

余談だけど、アメリカ国内では、ジャズってどちらかと言うと一部の好事家向けのマイナー音楽扱い。

ニューヨークでジャズ・ジャズと叫んでいるのは、日本人と欧州の方くらいかぁーも???

 

ジャズ好きのお方にお薦めの「アフター・ミッドナイト」。

 

マンハッタンでスタンダードジャズ漬けミュージカルを観るなんて、

口当たりの良いマンハッタンぽいカクテルを飲んだみたいに、素敵な酩酊感を味わう事ができる。 

ホワイトクリスマスを、意中のあの方と一緒に甘味な一時を楽しまれては?

 

 

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、  

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった 素晴らしいものなんですよね!      

 

 

トシ・カプチーノ評:☆☆+0.5

 

 

Brooks Atkinson Theatre

256 West 47th Street

New York, NY 10036



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November 16, 2013 8:48 AMComment(0)



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