舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
一週間のニッポン弾丸旅行を終えて、無事NYに戻りましたぁー。
今回は世界の翼。御デルタ航空様の空の旅!
久々に見る、日本の街角や都内某所に集う日本男児。
かわいかぁねぇ〜。
目尻下げ下げぇ〜。
福岡では嬉し懐かし地元のグルメ三昧を楽しみにしていたのですが、
まさかの食あたり。
丸二日間寝込むハメに。
エ〜ン
でもね、でもね、おかゆやすりおろしリンゴ等等、
久しぶりにおフクロ様に看病してもらい、
親子水入らずの貴重な時間が過ごせたのは、
怪我の功名と言うべきか・・・?
さて、今回は11月22日に開幕した「マクベス」のご紹介!
本ブログでシェイクスピアを取り上げるのはコレが2回目ねー。
コンテンポラリーな衣装は藤澤龍一風!
「マクベス」といえば、シェイクスピア四大悲劇のひとつ。
魔女たちや妻にそそのかされた武将が
出世欲のために殺人鬼と化す、有名な戯曲!
[幾何学的な舞台装置もコンテンポラリーゴシックっしょ]
今回の「マクベス」の見どころは・・・
◎ニヒルな映画俳優イーサン・ホークの演技
前作の『コースト・オブ・ユートピア』3部作(07年)や、
前々作のシェイクスピアの『ヘンリー六世』(04年)での演技が
高く評価されただけに期待もデカイぞ!
ハリウッドの映画俳優さんが採算度外視でブロードウェイ、
それもシェイクスピア劇に出演するなんて、
やはりホークさんもアートしたいのよねぇ〜。ウフフ
[マクベス夫人の衣装も、まるでヴォーグ誌のグラビアみたい!]
◎トニー賞常連のジャック・オブライアンの演出
トム・ストッパード作の 『コースト・オブ・ユートピア』3部作(07年)や、
シェイクスピアの『ヘンリー六世』(04年)
そして、ミュージカル「ヘアスプレー」(03年)の三作で
トニー賞演出賞を受賞したブロードウエイの大ベテラン。
そんな彼が演出する久々のシェイクスピア劇に期待が高まる。
マクベスとマクベス夫人の性格づけは、演出家によって様々。
例えば、蜷川「マクベス」は、
良心の呵責から強迫行為、精神汚染がキョウレツな印象だった!
一方、
本作のジャック・オブライアン氏の描き方はヴィジュアル重視。
が、それが裏目に出たのか、
魔女3人の運命にファーカスしたし過ぎたために、
肝心なマクベス夫婦の精神的な迷走ぶりがそっちのけ、
ストーリーがボヤケ気味
余談だけど、亡霊が出て来るシーンの演出は、
観客から失笑をかっていたなぁ・・・汗
舞台デザインや衣装は・・・
暗いモノトーンで統一
コスチュームは多少1980年代のハリウッドホラー映画を意識しているような・・・
NYのエッジの効いたデザインに興味のおありの方には参考になるかも??
肝心のイーサン・ホークの演技は・・・・
創造性に溢れた役作りをとはいい難い冴えない演技
残念ながら、選りすぐりの演出家と売れっ子ハリウッド俳優の起用で
話題の本作だったが、蓋をあけたら、退屈なファンタジー映画止まり。
空席目立つ有様なのですぞー。
それに比べて、シェイクスピア劇をレパートリー上演している
マーク・ライランス主演の『十二夜』×『リチャード三世』のすんばらしいこと。
その観劇レポは次回ねー!
それにしてもシェイクスピア英語は、
ThouだのTheeだのと、超聞き取りにくい・・・というか超難解!
ネイティブでもワカラナイっつうから、まーいいかっっw
しかし、
観劇するのなら、英文科でシェイクスピアを齧ったって人以外は、
観劇の際にはDVD等で、あらすじをしっかりつかみ、
有名な台詞くらいは、あらかじめいくつか覚えておくぐらいの
入念な予習をして観るべし!
本作の閉幕は1月12日。
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
Vivian Beaumont Theater
150 West 65th Street
New York, NY 10023
Facebookを利用してコメントする