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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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新作ミュージカル「イフ/ゼン」

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ゼロからものを作り出す・・・

 

 

それがブロードウェイ・ミュージカルという

世界トップレベルの話となると

 

私が作る愛情ごはんとはわけが違うー、笑

 

 

着想から開幕まで七転八起

10年以上の歳月が過ぎていた、

と言う話も聞く訳で、

 

 

無形の作品を完成に導くまでの

情熱を粘り強く持ち続けるクリエター達に

 

 

 

ホント三つ指ついて、

ご苦労様と労いたいよねー。

 

 

 

そんな努力が報われ、

成功したオリジナル・ミュージカルといえば

 

「RENT」

「アヴェニューQ」

「春のめざめ」

「NEXT TO NORMAL」など

エポック・メーキングなタイトルがずらり。

 

オリジナルが成功したら、ガッポガッポなんだけど・・

まー金を出すプロデューサーにしてみたら、

採算度外視なんてあり得ないわけで

コケたら、投資金は水の泡

 

 

そんなリスクを取るよりは

ローリスク、ハイリターンが見込める

ヒット映画の舞台化や、既存の曲にストーリーをくっつけた

ジュークボックス系の走りたがるのもわかる!

 

 

 

で、今シーズンも、オイシイ商売で一儲けを企む作品が

ひしめき合っているわけだが

 

 

そんな中、あえてイバラの道を突き進んだ

オリジナル・ミュージカルが・・・・

 

 

「If/Then」

 

 

IF1.jpeg

 

 

脚本、楽曲、全てがオリジナルの野心作。

 

弥が上にも期待は膨らむ! いいね、いいね ↑↑↑↑↑

 

 

ストーリーは

 

 

39歳で離婚した女性エリザベスが、

片田舎のアリゾナから大都会NYへ

新しい人生と愛を求めてやっている。

 

 

 

if2.jpeg

 

  

 

 

 

或る程度の年齢になると、

今ある自分と別の自分、

もしもあの時ああしていたら、

別の選択をしていたら、

なんて妄想を膨らませる事はよくあるよね。

 

 

本作の主人公はエリザベスも同じ

 

劇中でベスとして、

そして、もうひとりのリズとしての

二つの人生を同時進行させるのさ。

 

 

ベスの場合・・NYのシティ・プランナーとして働き、

                愛には恵まれないが、悠々自適の生活しているキャリアウーマン

リズの場合・・ハンサムな軍医と結婚

       お金には恵まれないが、愛に溢れた生活をする

 

 

 

一つの人生の2つの可能性を描くと言う点で、

まるでドリフターズのバラエティ番組「ドリフの大爆笑」の

もしものコーナーかぁー? (ちょっと古過ぎ,汗)

まー、いずれにしても、どっかで見た様な聞いた様なお話

 

 

 

主演は・・・・

 

 

今、飛ぶ取り落とす勢いで、今やセレブの域に達した

イディナ・メンゼル

 

 

 i.jpeg

 

 

 

ミュージカル「RENT」 でブレイク。

続いて主演したミュージカル「ウィキッド」ではトニー賞主演女優賞を受賞

ブロードウェイの女優として不動の地位を築いた彼女。

アカデミー賞受賞式で、映画『アナと雪の女王』(原題;『Frozen』)の主題歌を

歌っていた彼女をテレビで見た方も多かろう。

 

 

 

見どころは・・・

 

 

◎ブロードウェイに久々の登場したイディナ・メンゼル本人

 

 

◎「RENT」以来、イディナ・メンゼルとアンソニー・ラップの共演

 アンソニーの劣化が、自分を見ているようで泣けてきたぁ・・・

 

 

 

Anthony Rapp in IF-THEN Photo by Joan Marcus.jpeg

 

 

 

クリエイターはスゴ腕揃い

 

なんと、ピューリッツァー賞受賞作「Next to Normal」のクリエイターが再結成

ピューリッツァー賞とは?

オスカー、アカデミー賞と比べると知名度は低いが、

とにかく権威のある賞なのよ!!

 

 

で、私は今回、クリエイターさんの血と汗の結晶の新作を

大変ありがたい気持ちで鑑賞させて頂きました。

 

 

 

 

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ああ、それなのに、それなのに~

 

 

△舞台装置はえりゃー綺麗だけれど、

 カリフォルニア州っぽくて、

 もっとリアルなザラザラした

 NYの空気感みたいなものを再現すれば、モアベターだったのに。

 

△大人しい似た曲調の多すぎて印象に残りづらい。

 もっとメンゼルの歌い上げる

 ドラマティックな曲を盛り込めばモアベターだったに。

 

△前作の「NEXT TO NOMARL」と比べると人物像の掘り下げ方が希薄。

 主人公のデリケートな内面も伝わらず。またドラマティックな展開がないまま,

 不完全燃焼で終わっちゃうのさ・・・

 

 

 

と私の評価はかなり辛口なのだが・・

 

 

 

その一方で、チケットは開幕前から週1億円を売り上げる凄さー!

おそらく、イディナ・メンゼルが歌った

ディズニーの長編アニメ映画『アナと雪の女王』主題歌の大ヒットや、

アカデミー賞で歌ったことなども相乗効果となり

チケット売上げに繋がったのだろうね。

 

 

旬のスターの観客動員力恐るべし。

 

 

だけど・・・・

 

 

 

短命に終わるだろうね・・・

 

 

 

もしも、エリザベス役を日本人がヤルとしたら・・

歌えて演技が出来て、40代くらいの舞台女優??

 

 

 

 

玉の輿に乗られた、時の人・・・

元、宝塚歌劇団のトップスター

 

 

 

 

 

 

 

和央 ようか様

 

 

 

 

 

驚きの婚約発表など、ドラマティックな人生を

歩んでいる彼女が演じることで、本作も大いに蘇生するに違いない。 

 シアタークリエ様、プログラム作成の際は、カプチーノまで・・・

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、     

 

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!    

 

 

 

 

 

トシカプ評:★★

 

 

 

 

 

Richard Rodgers Theatre

226 West 46th Street

New York, NY 10036

 



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April 18, 2014 8:58 AMComment(0)



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