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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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"がらっぱち米大統領"を描いた新作芝居

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トニー賞ノミネートを目前に控えた新作の開幕ラッシュ。

そんな中、今の私は観劇漬けの日々。

一日2本をはしご観劇って日も・・。 

 

 

いよいよもって、研ぎすまされる観劇魂メラメラ~♪

 

 

そんなブロードウェイ一直線、

ミュージカル・バカ一代の私とて、

 

 

JFK(ジョン・F・ケネディ)

MLK(キング牧師)、

ついでにAKB48くらいは知ってるけど、

さすがにLBJ(リンドン・ジョンソン大統領)と言われても、

「ん?」となっちゃうわけよ。

 

 

そこで今回のLBJさん(ジョンソン大統領)の政界芝居劇

 

 

 

「All The Way」

 

 

 

なのであーる。 

 

 

alltheway1.jpeg

 

 

政治劇って言われてもねー、

 

期待に胸膨らませて、って言うよりは、

眠気で鼻ちょうちん膨らましちゃうんじゃないかって、

ちょっち心配しちゃった、汗

 

 

 

ところがドッコイ、

 

これが久々のホ・リ・ダ・シ・モ・ノ。

掘り出し物だったのよ!

 

 

皆さんはLBJこと、リンドン・ジョンソン大統領をご存知ですかぁー?

 

ケネディ政権時の副大統領で、

ケネディが暗殺された時、

自動的に大統領に昇格した人。 

 

 

 

本作は、ケネディ大統領が果せなかった貧困撲滅と公民権法案を通すべく、

権謀術数が渦巻き、生臭い議会の真っただ中で、

次期大統領の再選を果すまでの

ジョンソンの孤軍奮闘振り描いたドキュメンタリードラマなのさ。

 

 

alltheway2.jpeg

 

 

 

見どころは・・・

 

 

何と言っても、主演のブライアン・クランストン様、58歳。

 

米の大ヒットドラマ「ブレイキング・バッド」主演の人気スターだったんだね。 

ブロードウェイ・デビューとはいえ、巧い筈だわ!     

 

 

それにしても、LBJって、前任の若きカリスマJFKさんとは

対照的に風采のあがらない がらっぱちオヤジ。  

 

 

そんな彼が口からツバ飛ばして、

悪名高き初代FBI長官フーバー氏や

黒人公民権運動の指導者キング牧師をはじめとする、 

政界の強者を向こうに、

がむしゃらに法案を通して行く様は痛快そのものなのさー。

 

 

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これってひょっとすると、

 

 

 

 

 

最近銀座で寿司を食べて

 

 今日、韓国に飛んだ

知的で洗練されてはいても、 

 。

どーも今ひとつ決断力に欠けると噂される、

 

 

現職の大統領様とは正反対のようなぁー?

 

 

なんてねー。

 

 

 

今まで、JFKさんの威光に隠れて、印象が薄かったLBJ大統領。

けど観劇後は、彼の人となり、とても身近に思える様になっちゃった。 

 

 

 

ピュリッツァー受賞者(そう、凄ーい賞)ロバート・シェンカン氏の

脚本はとてもタイト。 

 

息もつかせない演出もテンポ良く観客のテンションを上げるのさー。

 

 

alltheway4.jpeg

 

 

いやね、もし、日本で例えば

小泉元首相の郵政民営化小泉劇場あたりを

芝居にしたらどこれくらいの人が興味をしめすのか? 

 

 

どれほどチケット売れるんだろう? 

売れないだろうなぁー???

 

 

それを考えると、一政治家の人物像を活写し、

 

公民権運動というアメリカ史の中でも熱き時代の政治の裏舞台を

 

爽快なエンタメに仕立て上げてしまうのだから、  

 

やっぱ、アメリカって懐が深いというか、

 

政治劇を芝居で楽しむ大人たちの姿にやけに眩しく見えたのだけど・・

 

 

最後に本作の評論家の評価は上々。 

 

なのに、ちまたではデンちゃん(デンゼル・ワシントン)の芝居

「日なたの干しぶどう」ばかりが注目されている。 

 

けど、今回の芝居の内容では

ブライアン・クランストンが上だね!

 

事実、トニー賞最優秀男優賞の呼び声も高いのさ。

 

 

ミュージカルもいいけど、芝居の感動って奥深いなと改めて思ったのだよ。  

 

 

alltheway5.jpeg

 

 

たまには、歌も踊りも、

奇抜な舞台装置やキラビやかな衣装も無し。

お色気さえも抜き。

 

だけど

 

歴史のお勉強になって、元気が出て

かつ又とっても見応えのある硬派なお芝居をお楽しみになってみては? 

 

 

 

6月29日までの限定公演  

 

 

 

さて、恒例となった、もしも、コレを日本人がヤルとしたら・・

 

 

 

超売れっ子の

 

 

 

 

 

香川照之様

 

 

 

 

 

「半沢」で見せた、伝説の土下座。

あの熱さは、まさにLBJの不屈の人格描写にピッタリじゃないかしら!?

 

 

 

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、     

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!       

 

 

トシカプ評:★★★★

 

 

 

Neil Simon Theatre

250 West 52nd Street

New York, NY 10019



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April 25, 2014 7:46 AMComment(0)



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