舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
過日のブログで
平成中村座のNY公演を取り上げさせていただき、
豪華でお色気もあり、
しっかりと娯楽性と芸術性を兼ね備えている、
日本の舞台芸術の伝統が、
NYの気難しい通人達を唸らせるのを目の当たりにし、
ありがたくも誇らしい気持ちにさせていただいた
ってーのを報告させていただきました。
日本の商業演劇が、
世界の檜舞台で
次なるステージに
もう一段階進むとすれば、
それは一般の興業である
ブロードウェイやオフ・ブロードウェイの同じ土俵に立っての・・・
ロングラン!
つーことは、
平素から美学的生活に
こだわって粋がってるニューヨーカーだけじゃなく、
観光や商用で来紐するのアメリカ人や外人など
フツーの人々をどれほどからめとれるかってこと。
今の日本のオリジナルで勝負する場合、
大きな障害となるのが、
やっぱ何と言っても・・・
言葉の壁。
そんな中、字幕映画さへ面倒くさがる現地人に、
納得のエンタメを提供するための一つの武器の一つが・・・
「笑い」
じゃないかって、
常日頃から考えているワタクシ。
だってさ〜
お色気部門=
世界中のフェロモン軍団が研を競うマンハッタンで、
一般人を悩殺出来ちゃうくらいの存在感を醸すのには、
かなーりの熟慮&戦略が必要ヨー。
踊り部門=
世界のコンクールなんかで
入賞を果たされる日本人も多ござんすが、
これもなかなかどーして。
手足ながくて、ご立派な体格の外人に比べると分が悪い。
歌唱力部門=
これまた有名な日本人オペラ歌手やジャズシンガーの方もおられますが、
こと商業的なミュージカルの世界では、
ステーキ喰っている人の鳩胸から繰り出させる大音響にはなかなか太刀打ちするのは大変です!
だけど、お笑いなら、
それも言葉遊びに根ざすヤツじゃなくて、
もっと根源的なシンプルなものなら、
行けるんじゃないかと・・・
勿論、お笑いも、奥が深〜いってのは承知してます。
クソ長い前置きになっちゃって、ゴメンあっさ〜せ。
実は、先週10日間ほど帰国しちょりまして。
そこで我らがワハハ本舗主宰新進劇団「娯楽座」の旗揚げ公演を観劇。
そこに一筋のお笑いビーム。
グローバル対応の
骨太おちゃらけ
エンタメの光線が射すのを見た様な、
そんな公演のご紹介ですー。
ワハハ本舗といば、
久本雅美、柴田理恵の筆頭に
世間を「アッ」と言わせる芸で
大人気のパフォーマンス集団(劇団と芸能事務所)だが、
その一方で
紅白歌合戦の出場歌手が、
ワハハ本舗提供の
丸裸に見えるコスチュームを着て登場したことが
大問題に発展したり・・・
ある公演では、ワハハのパフォーマンスが
わいせつ行為と警察に通報されたり
なにかと、
世間を騒がせていますが
話題に昇るつーのは人気の証!
そんなワハハが、
現状に甘んずることなく
進化しようとして始めたのが
お笑いを目指す若手を発掘するための
大規模オーディション。
今回その難関?を
見事突破した若き精鋭を中心に、
大衆演劇をモチーフにしたワハハ本舗に劇団「娯楽座」を旗揚げ!
笑って、泣いて、踊って、ちんとんしゃん
今回紹介するのは、その新人を十数人大抜擢しての新作なのであーる!
ワハハ風に忠実に勝手に新解釈した
江戸タイムスリップ絵巻3部作のうちの第一弾、
7月公演「鼠小僧とサンタクロース」のご紹介であいつかまつりまする
物語の舞台は江戸時代
雪の降る夜中だった・・・
浅草寺の五重塔の天辺で出会う鼠小僧とサンタクロース
そう、庶民の味方と謳われた鼠小僧が義賊になるきっかけは
サンタクロースとの出会いにあったのだ!?
見どころ・・・
◎鼠小僧とサンタクロースのシーン
黒子による人形劇はほんわか漫画チック
なんか温か〜いファンタジーの末広がりぃ〜
◎劇中劇
OKAMA風おいらん4人組によるコント
基本ノンケさん達なので正直見た目は汚いのォ〜。
それに笑いの間が悪い・・・
なんかズレてるの でも、その不器用さが、
逆にミョ〜にウブな味出しててオモロいのだー!
みなさん、彼らにオヒネリを・・・
◎アン雪の女王
アン雪の歌詞にある「もうサムくないわ」と
笑いをはずしたときの「サムい」を掛ける
連発ダジャレのミュージカル
うーーん、ちょっとまじ寒気もするのだが、
これもクスクス笑えるんだなぁー!
まるでNYのオフ・ブロードウェイのような実験的なこの音楽劇
なんか溢れ出る愛をビンビン感じちゃう。
だって、女の子だモン・・・
なみっだと〜汗とォ〜♪
めんご、こっちも溢れ出る鮎原こずえしちまったぜぃ
信じていれば、叶う」ってなメッセージも
新人君達の初舞台のテーマにマッチングして
フレッシュさ(なんちゅー形容詞、テヘヘ)出してるぅ〜
日本もブロードウェイも
制作費の高騰で チケットが確実に売れる、
安全牌路線の作品しか上演しないこの御時勢に
採算度外視、よ〜やるわって、
てのと同時に、
常に挑戦し続ける不屈の精神力を持つあの方はただ者じゃないよねー。
ぶっちゃけ、役者は新人。
うまくはない。
それに何時までも初物の桃でも愛でる様な、
初々しさで技量不足をカバー出来るわけじゃなし。
でも、
奇抜な発想と、
根底に流れてる、
温かい愛情のこもった演出は、
並のブロードウェイにゃー負けちゃーいねェ〜。
これ身内びいきで言ってんじゃないよー。
いやまじホント。
残念ながら、この第一弾「鼠小僧とサンタクロース」はすでに閉幕
が、しかーし
第二弾「左甚五郎とゴッホ」8月1日から24日まで
第三弾「平賀源内とレオナルド・ダ・ビンチ」9月2日から23日まで
で、なーんと
このシリーズの年内継続がすでに決定!!!
出来ることならば、私も全部観たーい。
それくらい興味津々!
舞台芸術があーたらこーたらとか、
七面倒な蘊蓄なんかなしに楽しめるワハハの娯楽座
東京にお出での際は、浅草まで足を運びワハハ本舗を御覧遊ばせ!!
日本の演劇界が夢見るブロードウェイ進出・・・
次はワハハの出番かもカモーン・・・WAHAHAHA
ブロードウェイ・ミュージカルって、ワハハ本舗って
楽しいだけでなく役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★★
レストラン・シアター、浅草六区ゆめまち劇場
東京都台東区浅草1-25-15、ROX1F専用入り口
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