舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
通常のブロードウェイでの出し物なら、
まーステージがあって、
役者さんたちがそこに居り、
台詞をしゃべって、
歌ったり踊ったりなんかしちゃって、
物語を追っていくーてな
段取りで進行してくわけですが、
オフ・ブロードウェイじゃ時として
その辺を全部取っ払っちゃって、
「体験型」とかなんとか称して
ぶっ飛んだ興業を打つ事があるよねー。
「ブルー・マン」
「ストンプ」
なんかが、その典型。
どちらもロングランしていて、
ご覧に(&体感)された方もおられると思います。
そこで今回ご紹介するのが・・・
「WAYRA FUERZA BRUTA NYC」
元になっているのは
アルゼンチン産「フエルサブルータ(FUERZA BRUTA)」
スペイン語のFUERZAとは、力 BRUTAとは、ケダモノ
6月に東京で上演されたソレ、大評判だったとか?
「WAYRA FUERZA BRUTA NYC」は、その新装開店版!
一体どんなパフォーマンスなのか?
だだっ広くて、薄暗いスクエアの部屋に
約200名が入室・・・
すると突然真っ暗に
舞台にパーカッションを抱えた若者が、激しくドラム叩き、
それに合わせてケタタマしい音楽が鳴り響く・・・・
そして天井の見上げると、そこには
男女数人がロープで宙刷りになり
凄い勢いで回転しているが、空中ダンスの様相
まるでシルク・ド・ソレイユ
そして
命綱をつけて高い壁を走り回る女や
そして
巨大なルームランナーの上を
意味なく男は歩き始め、撃たれて倒れるが、起き上がって走り続ける。
「狭いマンハッタン、そんなに急いでどこへ行く」ってな感じでしょうか?
そしてなんと言っても最大の見どころは、
頭上高くから手が触れる高さまで徐々に降りてくる巨大な透明プール
そん中で水と戯れるガールズ達のセクシーなこと
ちょっとエロ過ぎちゃうかーぁ???
ってか感じでパフォーマンスが続き
観客は80分立ちっぱなし。
場所によっては水しぶき飛んで来て、濡れます・・・ 濡れそぼちます・・・笑
ちょっと待ったぁー!
これって、ほぼ、
オリジナルの「フエルサブルータ(FUERZA BRUTA)」と同じ
違うのは、
巨大バキュームのパフォーマンスと
「ワイラ、ワイラ、ワイラ」と延々と同じ言葉を続けて歌う音楽くらい
普通のショーは写真撮影おろか動画もNGだけれど
このショーは、なんでもありーの「体感」がポイント
だから、 写真も動画も撮り放題。
私的には、9年前に既に体感済み故、
あーそういえば懐かしいなぁーってな程度で
新鮮味はほぼゼロ。
不感症気味なんです・・・汗
がしかーし
まだ一度もコレを観ていない人にはオッケーだよー!
舞台、役者、観客の垣根を取っ払って、
次に何が起こるのか期待しながら五感を刺戟する、
音響、夢幻的視覚、官能的パフォーマンスなんかを堪能できるハズよー
ただねぇー、あなたがもしも
◎濡れるのが嫌な人
◎観客参加型苦手な人
◎閉所恐怖症の人
だとしたら、ヤメて方がよろしくて・・・
しかし、9年前と比べると、時代は劇的に変わった!
初演のフエルサブルータが話題になった9年前
観劇中に、わざわざ写真を撮っているやつなんていなかったが・・
今は・・・・ 客の3割は、パフォーマンスなんて観ちゃいねぇー
写真や動画取りまくり・・・ ファインダー越しの「体感」やねー
あんたら一体なにしに来たのー? って感じ
.
.
きっとFacebookやTwitterなんかにアップしたりするんだろうなー
自身で「体感」するだけじゃ物足りなくなっちゃって、
やっぱシェアして イイネ集めて、
コメントもらわな不十分だなんて、
なにやら面倒な事になっちまったぜー、
なんてまたしてもショーワなアタシ、
なんだかねぇー??
ちなみにチケットは99ドル(正規料金)
ブロードウェイ・ミュージカルって楽しいだけでなく、
役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
Daryl Roth Theatre
101 E. 15th St.
New York, NY
Facebookを利用してコメントする