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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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「Scenes From a Marriage」〜川崎麻世さんとカイヤさんの共演を!

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まずは僭越ながらワタクシの近況をば・・・。  

 

 

♪ついに10回目となる、

来る10月10日のショーに向けて 

毎日ドラマチックに、リハに準備に全力疾走中。 

 

 

 

10、10、10(テンテンテーン)ってねー ♪ 

 

 

 

 ♨皆様の秋の夜長を華麗に、

そしておちゃめに彩るべく

頑張っておりまする。 ♨ 

 

 

 

 ♡落ち葉舞うウエストヴィレッジのDuplexで、

ぜひお会いいたしましょう♡

 

 

 

Duplex_big_092514.jpg

 

 

 

公演日:10月10日(金)午後9時半開演

劇場 :クリストファー・ストリートのゲイバー「DUPLEXシアター」

予約 :http://www.theduplex.com/~thedup/webcalendar/view_entry.php?id=8770&date=20141010   

 

 

 

NYにお住まいの皆さん、

またその時期に日本からNYに来られる旅行者の方

その日のスケジュールはしっかり空けといてちょうだい!!

 

 

 

 

 

 

さて今回ご紹介する舞台は・・・  

 

ある夫婦の『結婚』の過去、現在、未来の諸相を描いた超話題作 

 

 

 

 

 「Scenes From a Marriage」

 

 

 

 

b-6672_scenes_from_a_marriage.jpg

 

 

 

まずこの野心的な演劇の基となっているのは

 

 

1973年のTVシリーズ「ある結婚の風景」

 

脚本、監督は20世紀のスウェーデンが生んだ映画界の巨匠、イングマール・ベイルマンさま。

 

 

 

実はベイルマン氏自身も、

5回もの結婚&離婚を経験したとか。  

 

 

 

それに費やされたエネルギーを考えただけで、

気が遠くなっちゃうけど、

 

 

 

ベイルマンちゃんたら、

しっかりその経験を

おのがゲージュツに昇華しちゃったんだから、

 

やっぱ天才は違うわぁー !

 

 

 

この赤裸々に結婚のリアリティーを

 

追求したドラマは

 

当時センセーションになって、

 

その年のスウェーデンの離婚が

 

一気に倍増したてんだから、

 

こりゃーヘヴィー級の題材だわさー。 

 

 

 

 

scenesofamarriage-1.jpg

 

 

 

 

 

さて、舞台版の演出はイヴォ・ヴァンホーヴ。

一体彼は、どんな仕掛けをもって

このヘヴィー級の題材に果敢にチャレンジしたのか?  

 

 

 

まず、本作は劇場への入場の仕方が超変わっている!  

 

 

 

1、劇場窓口でチケットと 一緒に渡されるのは

  桃色、黄色、青色、 いずれかのペーパーバンド。  

  ちなみに私は桃色だった。 

 

2、観客はそれを手首に巻き巻,後藤真希なんちゃって、苦笑   

 

 

3、入場はする際は、その色分けされた、

  それぞれの劇場へ入る。 

 

 

 

劇場のキャパは200席 

しかし、本作では 

それがすべて取り払われ、 

 

そこに・・・・・

各50名ほどが座れる

 

桃(未来) 

黄(現在) 

青(過去) の3つが小部屋が仮設され, 

 

おのおの部屋で、ある夫婦の 過去、現在、未来が 

それぞれ同時進行で演じられているという演出。   

 

 

 

主な登場人物は 夫婦のジョアンとマリアンヌ 

(これ日本だったら、スウェーデン語読みでヨハンとかに、なるのかなー??) 

 

 

 

scenes_from_a_marriage-3.jpg

 

 

 

もちろん、それぞれの部屋で

過去、現在、未来の芝居が 

同時に進行しているわけで 

役にそれぞれ3人ずつ(計6人)俳優がいるわけだ。   

 

 

 

あくまで仮設の劇場。 

となりで行われている芝居の声は筒抜け。 

叫び声などが、まる聞こえなのだぁー!!

 

 

 

それが、時空を超えた夫婦の状況を反響させて、

不思議な効果音になってるんだなぁー!

 

 

 

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だから、観る側は、

目前のある夫婦の過去、現在、未来が互いに共鳴し合う様を、

一緒くたんに見せられてるという、錯覚にとらわれるのさ。   

 

 

 

それももともとオフの小さな劇場 

そこをまた3つに仕切っているわけなので 

目の前で来る広げられる芝居は・・・

 

 

 

他人様の親密なリビングにお邪魔しちゃった感満載。

 

 

 

一幕はそれぞれ30分。 

芝居が終わると・・・・

俳優から 「次の部屋に移動して下さーい」 と

案内があり、観客は次の部屋に移動。 

私の場合は、 未来 → 過去 → 現在、 その順番で観劇   

 

 

インターミッションは長め 

観客は全員劇場から追い出され、 

外で待つこと30分

 

 

一幕では3つに別れていた劇場の入り口は  

二幕では全員同じ入り口から入場する。

 

 

 

すると劇場内は・・・・・

 

 

 

先ほどまであった3つの劇場の仕切りがすべて取り外され、 

広い空間に・・・

そこを囲むように座席が特設。 

 

 

 

そう、30分の休憩中に装置を取り替えたのよー!  

 

 

 

肝心な二幕は・・・

現在の二人 

 

 

 

別れて半年後に男性のオフィスで再会 

お互いに愛人がいるのに・・・

そこでいきなり熱いセックス、

きゃーおかあたまぁー!

 

 

 

その後は、飲酒して泥酔して、

挙句に大げんか 

 

 

 

イヤハヤナントモ・・・  

 

 

 

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風変わりなのは、 

夫婦3組が全く同じ台詞をしゃべること。  

 

 

が、しかーーーし

 

 

 

それぞれ違う演出 

 

 

 

だから、役者の演技が比較されるから 

俳優としての力量が問われるのさ!   

 

 

 

印象的だったエンディング。 

 

結婚って・・・何? 

 

 

マリアンヌが実母に

「お母さんにとって結婚って?」  と聞く。

 

 

母は、「ただ一緒にいるだけ、愛も何もない」と・・・・  

 

 

 

なんか身もふたもない、

それが現実ってことなのぉー?   

 

 

 

 

  

何より素晴らしいのは、50年も前の作品に、

 

その大胆で斬新な演出方法を加えて、

 

しかもその手法が、安易で小手先のギミックに堕することなく、

 

全く新しいエンタメとして蘇らせてしまったその手腕。 

 

 

 

 

同時進行劇は、

フェイスブックをチラ見しながら、

エッチ動画も見ながら

パンドラでBGMかけて、

メールとチャットも同時にこなす・・・みたいな

 

 

 

マルチタスキングが日常のせっかちな私達にはピッタリ !

 

 

 

敢えて似ても居ない俳優達に、

違う時代とは言え、

同一人物を演じさせることは、

この二人の結婚をより普遍的な問題提起にまで

おし拡げる事に成功しちゃってる。   

 

  

 

しっかし、いくら優れた舞台芸術とは言え、

そこに描かれている結婚生活の

 

 

 

世知辛さ、

 

味気なさ、

 

身もふたもなさっぷり

 

と来た日にゃもう・・・。 

 

 

 

実はね、子供のころ「お嫁さんになりたーい」と思っていたワタクシ。 

 

 

もちとね! 

 

 

その夢が今年実現しちゃったわけですが、

(詳しくは女性自身9月16号を参考になすってね♡)

そんなワタクシには、ちと刺戟が強過ぎたかも。 

 

 

 

ただでさえ、晩婚化少子高齢化で

危機的状況とされるニッポンのお客様には、

ある意味勧めちゃいけないのかしらー、と

 

多少複雑な心境ざーます、笑

 

 scenes_from_a_marriage-2.jpg

 

しかし、さすが既成概念をぶち壊すことが大好きなオフ・ブロードウェイ。 

 

久々にシュールな体感劇を堪能!

 

3時間30分の長丁場だが、余は満足じゃった!

 

「 Scenes From A Marrige」の制作は、

 

ミュージカルの傑作と言われる「RENT」 が産まれた

オフ・ブロードウェイのNYTW。 

演劇創作と環境整備を行っている非営利演劇団体だ!

実は、そういった動きが日本にも! 

 

 最近、俳優浜畑賢吉さんが

 

演劇を心から愛する役者として 

 

利潤追求に偏りすぎる傾向のある、

 

日本の商業演劇の世界を変えるべく 

 

日本の劇場文化を発展させることを目的とした

 

団体 「テ・ア・ト・ロ・ン」を立ち上げたのさ! 

 

 

バンザイ、バンザイ!

 

 

ただ今、FBでメンバー急増中。 

 

もち、私も陰ながら応援します!  

 

 

公演は10月26日まで  

 

 

もしこれを我が母国で上演するとしたら・・・

 

 

 

 

6人の内の一組には ぜひ・・・・

川崎麻世さんとカイヤさんの共演を

 

 

 

ニッポンのリアルでシビアなアルアル夫婦像を

演じていただきとう存じます。    

 

 

 

トシカプ評:★★★★   

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、  

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。         

 

 

 

79 East 4th Street  

New York, NY 10003   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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October 2, 2014 9:18 AMComment(0)



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