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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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再演「ON THE TOWN」〜大立者に寄り添う名脇役の存在

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当ブログでは、役者目当てで劇場を目指す、

というお話を再三に渡りして参りましたが、

これは何もキラビやかに大スターの光輝を振りまく

看板役者ばかりに限った話じゃございませんのよ!

 

 

 

時には、大立者に寄り添う名脇役の存在が

 

スターを一層引き立てたり、

 

舞台全体をギュッと引き締めたり、

 

下手すりゃ後々まで色褪せぬ余韻を残したりして

 

主役を食っちゃったり、なんて事も・・・。 

 

 

ブロードウェイの名脇役として

私が推しているのが、  

舞台女優、

そしてスタンダップ・コメディアンヌ(漫談)の 

 

 

 

ジャッキー・ホフマン様・・・

 

 

 

日本で言ったら、

 

泉ピン子、

菅井きん、

事務所の先輩久本雅美さん、

あたりの感じでしょうか?   

 

とにかく、

お芝居も

お笑いも、

その存在自体に、

スルメの様に

旨味成分を多量に含んだ

名脇役なのよー!

 

 

 

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トレードマークはデッカいお口 

はっきり言って、美人じゃないが、 

3枚目役をやらせたら天下一品! 

 

 

私が彼女を知ったのは 

2002年初演の「ヘアスプレー」 

出演時間はたった2分

たけど、その時のハチャメチャぶりが忘れられん!   

 

 

その後、 2007年、「ザナドゥ」では、

軽ーいポップなミュージカルを

抱腹絶倒のコメディにした立役者となり

  

 

2012年、「アダムス・ファミリー」では、

さらに重要な脇役として演じたのが

一癖も二癖もあるトラブルメーカーのおばあちゃん役

 

舞台上に新たなディメンションを与えて

奥行きやメリハリといったスパイス的なものを加味するの。  

 

 

何を隠そう、 

 

私のキャバレーショーの師匠はホフマン様。 

 

彼女が定期的に開催するジョーズパブでの 

 

キャバレーショーは欠かさす拝見、ハイ!

 

毎回、

 

自虐ギャグは

 

爆発的な破壊力で、 

 

劇場は常に笑いの渦にさせちゃうのよ・・・ 

 

 

 

 

で、今回、心のお師匠さん、ホフマン様が 

久々にミュージカルに

ご出演されるっちゅーじゃないですか!  

 

 

それが・・・・

 

 

 

 

「オン・ザ・タウン」 

 

 

 

初演は1944年。

ななんと、あーた70年前。   

 

ぎゃーっ、終戦の前の年じゃん!  

 

そんな際どい時代に

楽しく笑いに満ちたミュージカルを

作ってたのね、アメリカって・・・   

 

 

さすがミュージカル大国!     

 

 

「オン・ザ・タウン」はその後、

ジーン・ケリー、フランク・シナトラ主演で映画化。 

日本では『踊る大紐育』と題され大ヒットしたのよね。     

 

でもね、初演では大当たりした舞台版なのだけど 

71年、98年と2度再演されたが

すべてが短命におわっちゃったのさ。   

 

はてさて、3度目の再演の出来はいかに?

 

 

 

 

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ストーリーは・・・  

 

 

 

 

NYで24時間の休暇を得た

ゲイビー、オジー、チップの水兵三人が

デートの相手探しをするドタバタ劇。

地下鉄でみかけたポスターの女性に一目惚れした

ゲイビーはオジーとチップの二人も力を借りて

ニューヨーク中を探すのだが・・

 

 

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見どころは・・・ 

 

◎アメリカ音楽界のレジェンド、

 レナード・バーンスタイン(1918〜90)の手がけた音楽 

 

 とにかく名曲ぞろい!  

 特に「ニューヨーク・ニューヨーク」は本作の鉄板曲として超有名よねー。  

 あの「ウエストサイド物語」の名曲「トゥナイト」は

 この流れの中で生まれたのねぇ。  

 

◎ダンス・ダンス・ダンス 

 オリジナルの天才振付家、

 これまたダンス界の重鎮、ジェローム・ロビンス 

 彼のダイナミックなダンスシーンは、

 それだけでもこのミュージカルを観る価値あるってもんです。

 

 

 

 

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◎ゲイビー演じる、トニー・ヤズベック  

 中近東系の褐色の肌に濃いお顔、  

 私にもわけて欲しいほどの黒々とした髪を  

 きっちり七三分けにしているお方よ。    

 

 米倉涼子主演「シカゴ」の凱旋公演で  

 ビリー役をやった方でもあるから、  

 日本の方でご存知の方も多いはず!    

 

 ダンスもお上手、演技も合格点・・  

 ルックスも私好み!

 

 ブロードウェイの初主役・・おめでとう!

 

 

 

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◎そして、ワタクシが大注目のジャッキーホフマン  

 今回は、なんと1人4役 だってんだからスゴイ。

 

 「ヘアスプレー」の時は、

 出番は二分のちょい役だった彼女が

 「オン・ザ・タウン」じゃ7、8分と露出度大幅アップ

 

  老婦人役も  

  酒乱の音楽の先生役も  

  ナイトクラブのシンガーA役も     

  ナイトクラブのシンガーB 役も

  大忙しじゃない!?

 

  舞台からはみ出しちゃう様な魅力が炸裂する!  

  笑いのタイミングは、あのネイサン・レインをも凌駕してる!?  

 

 

 

 

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70年も前の、ある意味ゾンビのようなミュージカルなのに  

 

現代風に見応えある作品に仕上げた演出は秀逸よ。   

 

漫画チックなドタバタ場面があるかと思えば、   

 

リンカーンセンターでバレエ公演を  

 

見ているようなアーティスティックな側面もあり  

 

前回の再演(99年)をはるかに上回る仕上がりなのさ。 

 

また、ニューヨークの名所旧跡を 

 

バーチャルで楽しませてくれるだけでなく 

 

歌と踊りと笑いがいっぱいの2時間30分! 

 

ブロードウェイ・ミュージカル初心者におススメの作品でございます!

 

 

 

 

もし、本作を母国で上演するなら 

今年10月、すでにV6トニセンによって翻訳されたが、

再演にはぜひこの方々に・・・・       

 

 

 

 

初代いいとも青年隊の 

アツシ(オジー役) 

マコト(チップ役) 

ケンジ(ゲイビー役)      

 

 

 

最近、80年代スターの再ブレイクが流行っているし 

時代の流れにハマるかもよー。 

 

 

 

あーでも、ケンジ様がアレだから無理だわ・・・とほほ     

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、     

 人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。           

 

 

 

 

トシカプ評:★★★      

 

 

 

 

Lyric Theatre (formerly Foxwoods Theatre) 

213 West 42nd Street 

New York, New York 10036

 



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November 22, 2014 7:13 AMComment(1)



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コメント/comment(1)

お久しぶりです! カプチーノ様!
今年は色々な事があり・・・なかなか拝見する余裕もありませんでしたが・・・・
久し振りに覗きに参りました!
このミュージカル興味深いですね〜
ジャッキーホフマンさんの活躍とやらを見たいですねぇ〜

NY寒いらしいですが・・・カプチーノさんもお身体を大事に・・・・
サンクスギビングはお料理されるのですか? 楽しい日を!

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