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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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新作ミュージカル「AN AMERICAN IN PARIS」〜鴛鴦の契を結んだ夫婦さながら・・

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ミュージカルと言えば、 

 

 

歌って、

 

 

踊って、

 

 

憂き世の喜怒哀楽の物語

 

 

紡いで行く総合芸術。  

 

 

 

 

そんな中、ダンスは・・・

 

 

 

勿論、歌と台詞に乗せて

役者達が音楽に合わせて

踊りだすってのは自然な流れ。  

 

 

 

 

ミュージカルとダンスは・・・・

 

 

 

おしどりの契を結んだ

 

夫婦さながら、

 

切っても切れない間柄。  

 

 

 

さりながら、

ダンスは、

ある意味 縁の下の力持ちと言えなくも無い。 

 

 

 

重要度で言えば、  

 

 

 1、先ずは、お芝居っしょ。

 

 

善人から極悪人まで。

観客の心を鷲掴みにする演技力

さらに舞台からはみ出るような

カリスマがあればステキ♡ 

 

 

2、次が歌唱

 

 

やっぱミュージカルってくらいですもの、

ピアニッシモのささやきから、

胸郭全開、のど輪締めテク

地響きのような絶唱まで

聴かせて欲しいの♡ 

 

 

3、そしてダンスの順・・・。

 

 

お芝居でも歌でも徐々に溢れ出て来たエロス。

遂にはつま先まで緊張感を漲らせた肉体を駆使した踊りでもって、

私に究極のエクスタシーを感じさせて〜ン♡♡♡   

 

 

 

その踊りの魅力を最大限にフィーチャーした

ヲトナのためのしゃれおつなダンス・ミュージカルが   

 

 

アカデミー賞受賞、ジーン・ケリー主演の

古典ミュージカル映画が舞台化した  

 

 

 

 

  『巴里のアメリカ人』

 

 

 

 

 さてココデ・・・ズバリ当てましょう♪ 

 

 

 

 

来月のトニー賞ミュージカル作品賞は、

これに決まりヨ!   

 

 

 

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ストーリーは・・・  

 

舞台は大戦後の復興期のパリ。 

兵役から逃れたアメリカ人、ジェリーは 

パリの美しさに魅了され祖国へ帰ることを取りやめ 

この光の都市に留まることを決意。 

偶然カフェで出会った画家に連れられて 

行ったバレエのリハーサル。

そこで見た美しいバレリーナ,リセに一目惚れ。 

しかし他にも彼女に思いを寄せる男性たちが・・・・ 

 

 

 

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見どころは・・・   

 

 

◎モダンバレエ風のダンス   

 

 

主役から脇を固めるダンサーまでも、  

有名バレエ団から起用された  

チャキチャキのバレエダンサーたち。    

 

 

まず驚くのは、鍛え上げられた肉体!  

それを使い、ミリ単位で計算されたような

舞のめくるめく世界!  

 

その一こま一こまが、しゃれとんシャー! 

 

 

 

さらにモダンバレエ風のダンスだけに留まらず、  

ブロードウェイの天才振付家、ボブ・フォッシー「ピピン」や  

マイケル・ベネット「コーラスライン」

スーザン・ストローマン「プロデューサーズ」を思わせるような  

バラエティに富んだ振付だから、全く飽きがこない!        

 

 

 

ねっ?トニー賞振付賞受賞間違いなしっしょ!?

 

 

 

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◎ジョージ・ガーシュインの音楽    

 

 

 アメリカの国民的な大作曲家、ガーシュインの

 ジャズとクラシックを融合させた  

 楚々たるシンフォニックジャズのナンバー  

 

 

 それも、聞き覚えのある曲の数々   

 心地よく、モダンバレエ風の動きを  

 さらに引きたてる役割もしてるのさ!     

 

 

 

◎キャスト   

 

 

 主役ジェリーを演じるのは、  

 ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパル、

 ロバート・フェアチャイルド  

 

 その相手役リセにはロイヤル・バレエ団の

 リアン・コープを大抜擢!     

 

 

 そんでもって凄いのは、このお二人、

 ブロードウェイ・デビューで  

 バレエダンサーにも関わらず、

 芝居もマル、歌唱力もマル! 

 これじゃー、あーた。

 ミュージカルにプラス、

 バレエの醍醐味まで堪能出来る、

 

 

 一粒で二倍三倍楽しめるのヨ!     

 

 

 もちろん、両者がトニー賞主演男優、女優各賞に

 ノミネートされたこと必定よね!

 

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◎演出家の手腕    

 

 陽の目を浴びることが難しい  

 ダンスを敢えて中心にすえたミュージカルを     

 制作したプロデューサーも偉いけど、     

 やはり最大の功労者は、バレエ界で有名な     

 

 演出振付家、クリストファー・ウィールドン。   

 

 過去のダンス・ミュージカルを振り返ると・・・   

 ・ダンサーはダンスのみ、シンガーは歌のみ  

 ・ストーリーはなし(歌のイメージに合わせて踊るだけ)  

・  歌もなく音楽に合わせて踊るだけってものもある    

 

 

 新しいヒット作として記憶にあるのは   

 ビリー・ジョエルの『ムーヴィン・アウト』くらい・・・   

 そう言えば、そのボストン公演で、

   テレビ番組収録で? 山本太郎氏と遭遇したなぁー! 

 

 

 それに対し「パリのアメリカ人」は・・・・   

 ・プロのダンサーが歌って踊って演技まで!一人3役。  

 ・芝居と踊りがコネクトし、小気味よく交差しながらテンポよく進む物語  

 ・凝った舞台装置と衣装もエレガントなパリを表現。

 

 

 

 

 

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バレエと演劇の要素が

高い次元で絡み合あった「パリのアメリカ人」

これは、まさに新分野!

ラプソディ・バレエ・ミュージカルとでも言うおうか!?

 

 

映画の舞台化で、

映画以上の評価をされるって

なかなか難しいのだけど

 

本作はやっちゃったちゃんね!

 

 

 

 

さて、本作を翻訳上演するとしたら・・・

 

バレエが踊れて、演技も歌もできる日本人で・・

 

ううううん・・・

 

 

 

ぱんぱんぱやっぱ♬「他人の関係」の金井克子さま

 

 

「水戸黄門」の由美かおるさま

 

 

 ちょっと・・・

 

 

 熊川哲也さまは・・・んー歌と演技は?

 

 

 

 無理そうなんで、そのまんま日本へ!

 

 

 

 本作なら、子供から大人まで、

 演劇好き、バレエ好き、ガーシュイン好き、

 台詞の少ないので英語が苦手な日本人にもオッケー!

 幅広い層に楽しんでもらえること間違いなし。

 みなさん、オリジナルキャストが出演しているうちが旬よ。

 韋駄天走りで劇場へ!

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、                

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。            

 

 

トシカプ評:★★★★★

 

 

Palace Theatre

1564 Broadway

between 46th and 47th Streets

New York, New York 10036

 

 

 

 

 



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May 14, 2015 8:00 PMComment(0)



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