安全に経済活動を再開させるために、また感染の第二波の被害を最小限に抑えるためにも新型コロナウイルスの抗体検査を広範囲に行うことが急務となっています。
抗体検査の実施を最優先としているニューヨーク州では27日までに7500人の抗体検査を実施し、およそ15%が抗体を持っているという結果が出ました。前回3000人の段階で発表された数字よりも1%上昇しています。今後、救急隊員や警察官など5000人の検査が行われる予定です。フロリダ州マイアミでは16万5千人が抗体を持っていると推定する研究結果も発表されており、およそ3万人が確認されている州全体の感染者数を大きく上回っています。一方で検査の正確性が問題視されています。専門家グループが現在使用可能な14種類の抗体検査を調査したところ、複数回にわたり正確な結果を出したのはたった3種類だったということです。また、世界保健機関(WHO)は、たとえ抗体があってもウイルスに対する免疫があるのか、免疫がどのくらいの期間持続するのかはまだわかっていないと警告しています。SARS(サーズ)の場合は24ヶ月、風邪やインフルエンザは6ヶ月、免疫が持続すると考えられています。
抗体検査で一番怖いのは抗体がないのにあるという結果が出てしまう「フォルス・ポジティブ」です。中には「フォルス・ポジティブ」が10%~15%の確率で出たものもあり、専門家は現在ある抗体検査は地域別に全体的な感染の流れや規模を図り、経済を再開する場所や範囲を決める尺度の一つとして使うのは有効だが、100%信用して行動するのは危険だと指摘しています。