中国の武漢でウイルスの感染拡大が、これまで考えられていたよりも早い段階で始まっていた可能性を示すハーバード医科大学院とボストン大学の研究員が共同で行った研究報告が発表されました。
新型コロナウイルスの感染者数は20州で増加しており、アリゾナ州では経済活動の一部が再開されて2週間経った先週の金曜日、感染者数がおよそ1500人にのぼり、州の1日の感染者数の記録を塗り替えました。経済の再開から1ヵ月以上が経つテキサス州でもあらたな入院患者が急増し、およそ2000人が入院しています。
一方、中国政府が新型コロナウイルスの流行を世界に発表した3ヵ月近く前に武漢ですでに感染が広まっていた可能性を示す研究報告が出されました。これは武漢の病院の衛星写真で、赤い点は駐車場に停められた車を示しています。2018年の10月と2019年の同じ10月の衛星写真をくらべると2019年の車の台数が圧倒的に多いのがわかります。
ハーバード大学医科大学院 ジョン・ブラウンスタイン博士「車が多いということは地域になんらかの感染が拡がり、医師の助けが必要とされたのでしょう」
ブラウンスタイン博士は、こうした事実が新型コロナウイルスの感染拡大と関連があるかどうかは証明できていないとしながらも、 公衆衛生上の非常事態が発生していたことは明らかだとして、ウイルスの感染状況の解明につながる可能性のある情報の一つだとABCニュースは伝えています。