アメリカの感染拡大が止まりません。7月に入って新規感染者が25万人以上確認されています。
独立記念日の連休に多くの人々が密集している様子がアメリカ各地で見られました。数百人が集まったミシガン州の湖ではマスクの着用やソーシャルディスタンシングは守られていません。ジョージア州アトランタやテネシー州ナッシュビル、カリフォルニア州オークランドでも同様の光景が見られ、新型コロナウイルスの新たな感染拡大が懸念されています。
米国立アレルギー・感染症研究所 ファウチ所長「現在の状況は深刻です。いますぐに対策をとらないといけません」
フロリダ州では感染者数が2週間で倍増し、マイアミデイド郡ではレストランやスポーツジムなどが再び閉鎖されることになりました。この週末、テキサスを含む9つの州が入院患者数の記録を更新し、アリゾナ州を含む8つの州で、これまでの感染者数が10万人を超えています。カリフォルニア州ではPCR検査の陽性率が上昇し、入院患者数も増えていることから知事が新たにサンディエゴなど6つの郡でバーの閉鎖とレストランでの店内の飲食を禁止しました。そうした中、若者の感染者が増えていることが問題視されています。ノースカロライナ州では、18歳から49歳の患者が感染者の58%を占めています。アリゾナ州では、感染者のおよそ半数が20歳から44歳。フロリダ州では感染者の平均年齢は21歳だということです。
デュラニ医師「病院にくる若者は症状が出るなんて知らなかったと言うのです。若者でも症状が出たり、死ぬこともあるんです」
一方、新型コロナウイルスの感染経路について専門家が警鐘を鳴らしています。世界保健機関(WHO)は咳やくしゃみ、または会話による飛沫感染が主な感染経路としており、疾病対策センター(CDC)のガイドラインでも同様の内容が記されています。しかし、32カ国の科学者239人が共同で作成した書簡では、飛沫より小さな粒による空気感染の可能性を指摘しています。その場合、より長期間、より遠くへとウイルスが浮遊するとしてWHOが推奨する対応策の改定を求める公開書簡を科学誌で発表するということです。