国土安全保障省の閉鎖によって深刻な人員不足に陥ったアメリカ国内の空港では、待ち時間が史上最長を記録しているとの報告もあります。混乱が続くなかトランプ大統領は、空港職員の支援のためだとして、主要空港にICE・移民税関捜査局の捜査員を派遣しました。
連邦議会で予算案が通過しないことで国土安全保障省は先月14日から閉鎖されていますが、空港で保安検査などを行うTSA・運輸保安局の職員は必要不可欠な人員として給与未払いのまま業務にあたっています。各地の空港ではTSA職員たちの欠勤や退職が相次いでいて、人員不足によって待ち時間が長引き、長蛇の列で飛行機に乗り遅れる利用客が続出しています。
空港利用客
「普通国内線だと2時間前くらいに来るけど今日は5時間前に来たよ。楽しくはないね」
先週末、予算案が合意しなければ週明けから連邦移民局の職員に空港警備をさせると発表したトランプ大統領は、自身のSNSに、「ICEは、政府機関の一部閉鎖のなか職務を続ける素晴らしいTSA職員を支援するため空港に行く」と投稿。23日月曜日には特に混雑している各地の空港にICEの職員が派遣されました。 トランプ大統領はあくまでTSA職員支援のためだとしながらも、空港は移民取り締まりには「好都合な場所」だとして移民の逮捕が行われる可能性も示唆しています。
「大統領が言うように、彼らの最優先任務はTSAの保安検査を支援し、人々の流れをスムーズにすることです。現在空港で起きている3、4時間もの遅延は悲劇的でばかげている」
25日の時点で少なくとも14の空港に数百人規模のICE職員が派遣されているということですが、現地のTSA職員からは、混雑緩和には全く繋がらず、逆に業務の妨げだと感じる職員もいるとの声があがっています。また、すでに40日以上無給で勤務しているTSA職員に対し、去年トランプ大統領が成立させた減税・歳出法により十分な予算があるICEではほとんどの職員に給与が支払われていて、その不平等を指摘する声も高まっています。
25日(水曜日)議会下院で行われた公聴会で、空港利用者の待ち時間がTSAの管轄下で過去最長になっていると証言したTSAの長官代行は、職員たちの窮状を訴えました。
ハ・グエン・マクニールTSA長官代行
「中には車で寝泊まりしたり、血液や血漿を売ったり、副業をする職員もいます。そんな中でも、制服を着て旅行客を守るという任務では常に最高レベルの働きが求められるのです。」
一方、議会は今週末から2週間のイースター休暇に入る予定で、その前に国土安全保障省の予算案を可決するよう圧力が強まっています。共和党は、懸案となっている移民取締機関を除いた省内の全機関への予算を全額拠出することを提案していますが、民主党は引き続き、 ICE職員のマスク着用禁止や、民家への立ち入りに令状を義務付けるなどICEの具体的な改革を盛り込むよう求めています。
ドナルド・トランプ米大統領
「彼らの交渉はかなり合意に近づいているようだ。だがどんな合意であれ満足できないだろうね。」
両党が合意に近づいているとされていた24日火曜日にこのように発言し、予算案が議会を通過しても署名しない可能性を仄めかしていたトランプ大統領。選挙の有権者登録の際にアメリカ市民権を証明する身分証の提示を義務付ける「セーブ・アメリカ」法案が最も重要だとしてこれをなどについて民主党が承認しない限り予算案も合意するべきではないとの考えを示したことでTSA職員への給与の支払いはまた遠のくと懸念されていました。しかし26日には自身のSNSで、 TSA職員に直ちに給与を支払うよう指示する大統領令に署名すると発表しました。