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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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ミュージカル「モータウン」パート2

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見どころ

 

60年代から80年代にかけて、大ヒットを飛ばした

マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーなど

多数のアーティストの厳選された50曲。

舞台に若かりし頃のあの大スターたちが蘇る

おおおおショウワの香りーーー

私の青春時代も蘇るモータウン・ルネサンス万歳!

 

1921.jpeg 

 

ストーリー

 

舞台は1983年、ロサンゼルスのパサデナ・シビック・オーディトリアムで開かれた

「モータウン25周年記念イベント」。

モータウン・レコード専属していたアーティストが一同に会してのイベントであったが、

モータウン創設者のベリー・ゴーディは、家族同然だったビックネームのスターが、

次々に他のレコード会社に移籍していたったことに怒り浸透し、姿を表さない。

そして場面はフラッシュ・バック。

1938年のアメリカデトロイト、ゴーディの子ども時代へ。

ボクサー志願だった少年は次第に音楽業界に興味を覚え1959年モータウン・レコードを設立。

60年代、一大レーベルに成長し大成功を収め、ダイアナ・ロスと結婚。

順風満帆のように見えたが、次々に所属アーティストが移籍。

そして離婚と・・・

 

1916.jpeg 

 

前回のブログの「ああ、それなのに、それなのに〜」の続き

私的には、こうすれば"モアベター"だったかも、

という部分がありました。

 

 

 

1、モータウンを素材にしたアイディアは抜群、素晴らしい。

  しかし、

2時間30分のショーにコーディの半生、専属アーティストたちの裏話、50曲のヒット曲集、

アレもコレも詰め込みすぎ。

  ここまで、詰め込まなくても、曲目を少なくして、

じっくり聴かせるなど、緩急をつけて欲しかった

 

 

 

2、モータウン帝国のキング兼プロデューサーの自叙伝をベースに、

ゴーディが自ら手掛けた脚本が稚拙。

  やはり、これだけの逸材なんだから、

その道のプロに依頼すべきだったのではないだろうか

 

 

 

3、50曲をみせるため、最大の見せ場である歌のシーンは、

まるでフジテレビ「夜のヒットスタジオ」の名物"夜ヒットオープニングメドレー"

みなさん、こんばんわーーー芳村 真理でーす!

  やはりもっとじっくりと聴かせる演出が欲しかったね

 

1910.jpeg 

 

 ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)

 

さて、冒頭に前述したとおり、

ブロードウェイでジュークボックス・ミュージカルが脚光を浴びたのは、

ABBAのヒット曲を用いた「マンマ・ミーア!」の大ヒットから。

 

その後、出るわ出るわ、例えは悪いが芸能人のペニオク詐欺事件状態。

 

ビリー・ジョエル、エルビス・プレスリー、ビーチボーイズ、ジョン・レノン、ザ・フォーシーズンズ、

アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ジョーニー・キャッシュ、オリビア・ニュートンジョン、

フランク・シナトラ、ビートルズ、ジュリー・ガーランド、ボブ・ディランなど、

こんな中で商業的に成功(ロングラン)したのは

「マンマ・ミーア!」と「ジャージー・ボーイズ」だけ。

その「ジャージー・ボーイズ」に至っては、

ジュークボックスの分野で初、トニー賞最優秀作品賞を受賞。

これらの作品に続き、

ブルース・スプリングスティンも予定されているとか!?

  もう一丁トリビア

ジュークボックス・ミュージカルにも3つの形態がある。

 

1、自叙伝型

2、オリジナル・ストーリー型

3、ミュージカル・レビュー型

 

「モータウン」は、まさに1に該当

しかし、とっちらかったてんこ盛りの脚本が仇となったことはいうまでもない。

もし、私が「モータウン」の演出家だったら

曲の全面に出した3のレビュー型ブックレス・ミュージカルにして

フルソングを楽しんでもらう。

または1のままだが、脚本の軸を

ベリー・ゴーディとダイアナ・ロスに絞り

楽曲も彼女の曲だけを選曲する。

もうこの手のミュージカルはヤメるって手もあるけど、笑

 

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マネーマネーマネー

 

トニー賞ミュージカル作品賞を逃し、

ノミネートは4部門に留まったが、

劇場は湧きに湧いている!

私が観劇した日は、「懐メロものまね大会」かーというノリで

観客はかなりご満悦の様子。

チケット売り上げも好調で5月12日付けでは週1億2千万円。

今シーズンの新作ミュージカルの中では

「キンキー・ブーツ」に続き第2位という大健闘だ。

 

ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった

素晴らしいものなんですよね!

 

トシカプ評:★★

 

ミュージカル「モータウン」

ラント・フォンティーン・シアター

205 West 46th Street

New York, NY 10036

US



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May 18, 2013 11:01 AMComment(1)



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コメント/comment(1)

小森のオバちゃま〜でたぁ〜
懐かしいです!
モータウン・・・楽しそう! だけど・・・・疲れそう〜 ;^_^A
同感です。 ミュージカルって、ジックリと聴かせて欲しいですよねぇ〜


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