舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
閑話休題
過去のシェークスピアで忘れられないのが
ニッポン代表のニナガワ
リハで灰皿飛ばすらしいニナガワ
演技がオーバーとも言われるニナガワ
そんなニナガワ先生が演出なすった「マクベス」
ブルックリン・アカデミー・ミュージック(BAM)で上演されたのは2002年
この「マクベス」で夫人を演じたのは大竹しのぶ様
第五幕第一場
しきりに手をこすって
自分の犯した罪のしるしである血を
拭い取ろうとするシーン
さすが、日本を代表する大舞台女優
迫力ある演技に定評ある、しのぶさん
本役は、輪をかけてキョーレツーだったぁー!
しつこくて、アクが強く、狂気さえ感じる大熱演は
言葉の壁を超越!
日本語公演なのにアメリカ人の観客が唸っていたもんなぁー!
小難しい古典劇シェークスピアも、ニナガワ先生の手にかかれば
老略男女、誰にでも楽しめる一大エンタメに!
観客の半分を占めたアメリカ人たちは、
幕が開いた瞬間、
眼前に出現する凝りに凝った舞台装置に
オーッと歓声あげてたし!
インターミッションでは
隣りのニューヨーカーがニナガワ先生の演出について
かんかんがくがく討論していたし!
カーテンコールでは、もちろん、自然にスタンディング・オベーションだったし。
幻想的なヴィジュアル・イメージを全面に推し出し
観客を蜷川ワードルに惹きこむ演出は強烈だった!
Q、しかし、なぜにニナガワ先生演出のシェークスピアが世界的に人気なのか。
A、シェークスピアという、ある意味、非常に扱いづらい素材を
調理する演出家が、それに振り回されれば、それまで。
ニナガワ先生のように、それを乗り越えて、
今まで見た事も無いシェークスピアでも、
「これもアリかも」と思わせてしまう。
原作に縛られず、独自の芸術性を追求しているところが、
他の演出家と決定的に違うとこやね。
では、ようやく本題、「恋の骨折り損」(Love's Labour's Lost)
そん前に2回目のインターミッション
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