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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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ハリウッドの重鎮ウディ・アレン台本の初ミュージカル

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ブロードウェイ演出家って・・・

 

 

 

TV・映画の世界で言えば、監督

畑違いだが、航空会社で言えばパイロット

寿司職人もある意味、食の演出家。

 

 

 

ミュージカルの演出家とは、脚本、役者、舞台装置、照明、音楽を組み合わせて

大局的に様々な意思決定をしてまとめあげる人。 

 

 

 

 

つまり、ショーの成功を左右する責任重大な職業なのさ!

 

 

 

ブロードウェイには、自称演出家を名乗る人が腐る程いるが、

Gay術的な人はほんの一握り。

 

 

その中の代表格のひとりが

 

 

 

 

スーザン・ストローマン様

 

 

 

 

2000年にブロードウェイ史上最高傑作と言われた

ミュージカル・コメディ「プロデューサーズ」を演出振付。

切磋琢磨の末、ブロードウェイで不動の地位を築いた女性演出家なのさー。

 

 

 

そんな彼女が、演出振付家として取り組んだのが

今回紹介する新作ミュージカル

 

 

 

 

 

「ブロードウェイと銃弾」

 

 

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ハリウッド映画界の重鎮、ウディ・アレン脚本の映画版(94年)の舞台化で

ミュージカルと抜群に相性のいい"バックステージもの"なんだ!

 

 

いいね!

 

 

 

とくりゃー映画やミュージカル・ファンだけでなく、

演劇関係者の多くが「プロデューサーズ」に続く大ヒットをなるのでは

とワクワクハラハラだったわけさ。

 

 

 

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ストーリーは

 

舞台は1920年代のNYブロードウェイ。

売れない脚本家デイヴィットは漸く新作の脚本を完成させるのだが、

なかなかスポンサーが見つからない。

そんな時、あるギャングの親分からスポンサーになる代わりに、

自分の愛人を主役にする条件を突きつけられる。

 

 

 

 

日本の芸能界でもよくある話じゃなーいの??

バーターってのもあるよねぇー、笑

 

 

 

 

デイヴィットはしぶしぶそれを承諾しリハが開始するのだが、

次々に問題発覚し・・・。

 

 

 

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音楽は・・・

 

 

オリジナルで勝負するかと思いきや

狂騒の20年代に流行した音楽家デューク・エリントンや

ビックス・バイダーベックのジャズなど

その時代を背景にした既存のジャズナンバーを使用。

 

 

ということは、本作は・・・

 

映画を舞台化しただけでなく

既存曲も使った新種のジュークボックス系

 

 

 

いくらなんでも、ちと手を抜き過ぎじゃあーりませんか!?

 

 

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気になるキャスティングは・・・

 

 

主演はブロードウェイ・デビューのザック・ブラフ

 

 

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彼のプロフィールがウィキペディアに日本語で出て来るくらいだから、有名人?

映画デビューはウッディ・アレンの『マンハッタン殺人ミステリー』(93年)

もちのろん、その映画は見たが、彼が出演していたことに全く気づかず。

本作でも主役ながら、影が薄いのよねぇー。

しかも、天然っぽく、男の色気も必要なこの役に

彼は向いていないんだなぁー・・・

キャスティングした担当者の責任は重いねぇ!

 

 

 

私が観劇した当日、カーテンコールで一番拍手が多かったのは・・

ボディガードのチーチ役、ニック・コルデオ(トニー賞助演男優賞にノミネート)

 

 

他のキャストが映画の面白キャラに近づこうと必死こいていたのに比べて

彼は力が抜けた自然な演技で観客を沸かせていたね!

この作品の見どころは唯一彼かもしれない・・・

 

 

私の大好きな映画だけにちと寂しいスギちゃん。

 

 

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トニー賞では6部門にノミネートされるが、

最優秀ミュージカル作品候補には涙を飲んだ本作。

 

 

素材は良いのだけどね・・・

 

 

スーザン・ストローマン様の演出がねぇー・・・

 

 

 

ウィディ・アレンの笑いって、脳みそでクスクス笑ってしまう

ライトなユーモアの連続

 

それに対し、本作ってドタバタうるさく、超わざとらしいシーンばかり。

ハッキリ申すと、「プロデューサーズ」の自分の演出振付を真似た感が否めないのさー。

 

 

 

トニー賞史上初12部門賞を獲得した「プロデューサーズ」で

成功したストローマンだけど、

 

 

 

そのあまりに大き過ぎる成功の後で、

 

果敢に新しい演出方法に挑戦出来ずに、

 

守勢に回っちゃったのかも? 

 

 

 

 

 

頂点を登り詰めたアーティストにとっての最大の敵は、

 

他でもない自分自身っつー痛切な現実に

 

思いを馳せずにはおれなんだー。

 

 

 

キビシカネェー。

 

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 .

.

.

もしもコレを日本人がやるとしたら

 

 

 

 

 

太川陽介様

 

 

 

 

 

「LUI- LUI」がヒットした太川陽介様の肩の力が抜けた洒脱さで、

本作もドタバタ喜劇から、シャレオツ・コメディーに化身でけるかもよー!?

 

 

 

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の太川様から

「ミュージカル・スター」の太川様へ・・・いかがでしょうか?

 

 

 

ブロードウェイ・ミュージカルって楽しいだけでなく、       

役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!                

 

 

 

 

トシカプ評:★★

 

 

 

St. James Theatre

246 West 44th Street

New York, NY 10036

 



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May 14, 2014 11:33 AMComment(0)



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