舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
一ヶ月ぶりにニューヨークに戻ってきました!
タイミングよく
放映されたテレビ番組の
良い影響もあったのでしょうか!?
お蔭様をもちまして、
日本でも「シシーボーイ」は、
連日立ち見が出る程の大入り満員!
本当にありがとうございました!
さて、
今回ご紹介もうしあげるのは、
色々な意味で、
ブロードウェイならではの
洗練
清新さ、
豪華さを
兼ね備えた佳作
『星ノ数ホド(Constellations)』
.
まず注目したいのが主演の
ジェイク・ジレンホール様
彼は実力派の映画俳優として
ハリウッドでも評価の高い役者。
アカデミー作品賞を取った
『ブロークバック・マウンテン』では、
カウボーイ同士の濡れ場、なんて言う、
結構ドッキリ&リスキーな役にも果敢に挑戦!
ご覧になった方も多いのでは?
実は昨年末から、今年にかけて
ヒュー・ジャックマン「リバー」
ブラッドリー・クーパー「エレファント・マン」 など、
ハリウッドの大物俳優が
続々とブロードウェイの舞台に進出しておりますが、
そんな中でも、ジレンホールが、頭一つ抜きん出た感じ。
銀幕でも舞台でも輝く事のできる
稀なスターであることを当舞台で見せつけたのさー!
余談だけど、ルックスとセックスアピールも断トツやね!!
本作でも、
相手役のベテラン女優ルース・ウィルソンに
全く引けを取らない大熱演。
二人の相性も抜群やね!
.
脚本を手掛けたのは
ニック・ペインという
イギリス気鋭の劇作家!
本作は、2012 年ロンドンで初演。
翌年のイギリス版トニー賞であるオリヴィエ賞で
作品賞にノミネートされた注目作!
物語は、ある雨の日の何気ない男女の出会いから・・
いわゆる男女の恋愛譚なんですわ。
見どころ
◎やっぱり、ジェイク・ジレンホール
繰り返しになりますが、彼から溢れるオーラ、
圧倒的な存在感だけでなく
小気味よい芝居のテンポの中で
一瞬にして全く別人になりきる集中力の凄さ。
舞台俳優としても実力と魅力を持ち合わせた逸材やね。
◎演出
通常だったら、芝居はまっすぐに
物語に沿って一本線上を進んで行くわけだけど
本作の場合、いろいろな情景のシーンを
同じ台詞で、少しづつ異なるニュアンスや抑揚で
演じ分けのパターン見せるという画期的な演出なのさ
例えば
Aシーン → 10通り
Bシーン → 10通り
Cシーン → 10通り
Dシーン → 10通り
Eシーン → 10通り
そのことで、星の数ほどある男女の
可能性を描いている二人芝居。
休憩なしの70分一本勝負なのさ!
人生って、様々な選択の連続。
朝起きて、先ず始めに歯を磨くのか、
それともトイレに駆け込むのか、
それともパソコンを立ち上げるのか、
それとも、それとも・・・・・。
私達は、日々、職場や学校など、
色々な場面で、大小様々な決断を強いられるわけ。
特に恋愛に於いては、
何気ない一言や仕草が、
その後の展開に大いなる影響を
及ぼす事だって或るわけで。
誰しもその中から最前のものを選びたい、
と試行錯誤を続けて生きているわけで・・
直感を信じる私は、
それが吉と出ようが凶と出ようが、
それが答えだと信じているのよー!
旬の役者さんが、洗練された演出で
舞台上に見事な火花を散らす。
こんな贅沢な舞台を観る事のできる
恵まれた地元の方々は勿論の事、
NYへ弾丸観劇ツアーに
ご来紐される方にもオススメの一本!
で、公演スケジュールを調べたら
ぎゃー、3月15日で閉幕・・・
って今日やん、すんまへん。
日本では、すでに昨年12月に同作品が、
浦井健治さまと鈴木杏さまのお二人によって
翻訳上演されているんですねー。
もし再演をするのなら、
藤原紀香様
陣内智則様
のご両人にお願いしたい。
いろいろ過去にあった事など、
ヲトナな対応で乗り越えて、
★の数ホドある男女の可能性を演じることで、
復縁も期待できるかぁ?!
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、
人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。
トシカプ評:★★★★
Samuel J. Friedman Theatre
261 West 47th Street
New York, New York 10036
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