朗読って聞いた事ありますか?昨夜、朗読会の司会を頼まれて行ってきました。
語り手は朗読の大御所中の大御所、白坂道子さん。
NHK朝の連続テレビ小説の ナレーションや教育番組の朗読など
書ききれないほどのキャリアの持ち主です。
1985年からはNHKの「古典購読」という番組で
源氏物語を原文で54帖全てを9年2ヶ月かけて
読み上げたという偉業を成し遂げていらっしゃいます。
向田邦子の「鮒」という作品だったのですが、
白坂さん の朗読がすばらしかった!!
登場人物によって声色を変えてスラスラと自然に耳に入って行くペースで読まれ、
気がつくと物語の中にすっかり入り込んでいまし た。
朗読というとかなり地味なイメージです。
実際朗読人口は語り手も聞き手も減り続けているそうです。
しかし体験してみるとこれが脳に気持ちよく、その新 鮮なリラックス感に驚きました。
映像がないのでインプットする情報量が少ないのに脳裏に場面の映像が
浮かび上がってきてテレビドラマを観ているような娯楽感。
脳が楽をしながら楽しんでいる状態です。
よく子供に読み聞かせることの大切さが指摘されます。
ある新聞の記事にあった専門家 の話によると読み聞かせをすると
「心の脳」と呼ばれ感情と行動を結びつける脳の部分が活性化されるそうです。
それによって自分や他人の喜怒哀楽を正確に感 じ取り行動する事ができるということです。
朗読は大人の読み聞かせ。
コンピューターを前に仕事をすることが多くなった現代社会には
大人にとっても読み聞かせ/朗読というものが大切なのかもしれないと考えさせられました。