舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
東京五輪決定!個人的に\(^o^)/バンザイなのだけど
日本の国内には、オリンピックなどという祭りごとよりも、
震災復興や福島原発処理を優先すべきじゃないかー、
というようなクールな見方もある様ですが、
海外で暮らす者としては、
やはり母国が自信に輝いているのを見るのは嬉しーい!
深刻な問題処理に粛々と取り組みつつ、
国威発揚のイベントも同時進行するなんて、
それこそ半沢直樹流、倍返し的エネルギーが出てきそう!
全力で事後処理にあたる為の目先のニンジンなんて考えは不謹慎かしらん?
ところで、
東京オリンピックは7年後・・・
つーことは、
ぎゃーーーー還暦ピック
またの名を"冥土土産ピック"だぜよー。
凹む・・・
いいえーーものは考えよう
7年後の、目標決めれば
テンション上がるぜよー。
ガンバンベーヾ(*´∀`*)ノ
さて、今回は2010年に開幕した超大作のスパイダーマンにまつわる、
舞台裏のちょっとスキャンダラスな話題を。
11月には暴露本も発売が予定されているという・・
その黒歴史を振り返ってみよう。
2007年、「スパイダーマン」の舞台化発表。
ハリウッド映画化で続編を含めて鉄板コンテンツ、スパイダーマンの
ミュージカル化に向けての、型破りな製作陣の顔ぶれだけでも、
鼻息ゼェゼェ聞こえる様な、大いなる野心的なものを感じない?
なにしろ記録的なロングランを続ける『ライオン・キング』の生みの親として
もはや生ける伝説と化した感のある、ジュリー・ティモアと
これまたポピュラー音楽界の重鎮でグラミーシンガー、
U2、ボノとジ・エッジがタッグを組んだと言う事は、
ミュージカルファンならずとも大変な話題になった!
ああ、それなのに、それなのに、
リハーサルが始まると、様々な災難が・・・。
・ 最大の見せ場である、スパイダーマンが劇場内をフライングするという大仕掛けのリハーサル中に四人、
プレヴュー中にも主役が大怪我を負い、劇場に警察の立ち入り調査が入ったほど。
文字通りの満身創痍の上演となってしまったのだー。
・最終的にかかった制作費が当初の予算を大幅に超過
至上空前の75億円にまで膨れ上がってしまった。
・ニューヨークタイムズ紙をはじめするメディアは酷評。
特にジュリィ・ティモアとグレン・バーガーが共作した脚本が、奇妙で暗過ぎだとけちょんけちょん
負の連鎖とでも言おうか・・
プロデューサーは、この責任のすべてを舞台監督ティモアに押しつけ解雇!
ティモア女史は、解雇後、ロイヤリティ(ギャラ)の支払いがないと訴訟へ
結果的にプロデューサー側が、公演が終了まで
毎週1万ドルをティモア女史に支払うことで解決
これほどの泥沼状態で、ヒットに漕ぎ着けたのだから、ある意味スゴイけど!
で暴露本の中身は?
関係者の足の引っ張り合いのドロドロ劇が、
赤裸々に描写されているそうな・・・
これだけの大作ですから、
そりゃー戦場のごとき壮絶な製作過程があったって
何ら不思議ではないと思うが、
それ自体が暴露本という形で商売になっていまうのだから、
やはり規格外のミュージカルたる所以なのでしょうね。
肝心の公演だが、現在もロングラン中!
しかし、ここに来て人気に翳りが見えて来たという見方も・・・。
先週のチケット売り上げでは、とうとうベスト10から脱落。
赤信号が点滅中という事なのか?
まだ御覧になってない方、
観客の頭上を水平に、上下に、と自由自在に飛び回るだけでなく、
2階や3階席へも飛んで着地する迫力満点のフライングは見物だぜよー!
本作は作品の構造上、引越公演はあり得ないのでブロードウェイで観とくべき。
ちなみに暴露本の発売は11月5日。
ついでに舞台裏で繰り広げられたドラマにも
思いを馳せながら観劇するというのも、一つの見方なのかも?
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった 素晴らしいものなんですよね!
おーーー、懐かしかぁねーーーー。
のっけから、「シー・ラブズ・ユー」ですかぁー!
レビューショー(ミュージカルではないのでご注意)なので
「マンマ・ミーア!」や「ジャージー・ボーイズ」のような
軸となるストーリーはない。
けれど、コスチュームや髪型を変えることで
ビートルズの活躍の軌跡を再現し、
舞台の幕に仕込まれた巨大モニター(真空管テレビ風)で
60年代のCMやビートルズ・ファンの熱狂的な姿を映し出す事で、
観客を6タイムスリップさせるような演出がなされているのさ。
ビートルズを演じるキャストはそれぞれが声の特徴や動作を捉えているのは確か。
2009年に上演された、この手のビートルズものまねショー「レイン」では、
ズラ(カツラ)のサイズは合っていないわ、
衣装のドンキホーテ級で買い求めたような安っぽさ
お世辞にも褒められないメタボ系オッサンバンドだったけど、
(自分のことは棚に上げてっw)
今回のキャストは、みんーな若い!
しかも、みんなイケメンとくりゃ文句ないぞーーー!
ポール担当のグラハム・アレキサンダーの二重アゴなんてクリソツ!
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを語りたい人だけどうぞ)
既存のヒット曲を集めて作るジュークボックス・ミュージカル。
その先駆け的な作品のひとつに「マンマ・ミーア!」があるけれど、
実は、ビートルズの楽曲をてんこ盛りした「ビートルズ・マニア」という作品が
ジューク系の走りと言われているのだぜよ。
それは今、まさに「マンマ・ミーア!」が上演されている
ウィンター・ガーデン劇場で初演(77年)。
ビートルズ・ファンの圧倒的な支持を受け
1007回
のロングランを達成した大ヒット作なのさ。
「LET IT BE」は、まさにその流れを引き継いだ作品。
見どころは
◎団塊の世代のノスタルジーをわしずかみにするビートルズの懐メロ
◎ 拍手やスタンディングの強要はドン引きだけど、観客のほとんどは一幕半ばから総立ち。
歌い、腰振りながら踊りだすといった風だから、「人生に疲れた!」ってな人向きのショー。
◎ 私のビートルズのお気に入りは、珠玉のバラード「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」。
約40曲をカバーしているから、きっと貴方のお気に入りの曲も出て来るよ!
音楽の力は凄い!
観客は、ビートルズの名曲の数々にメロメロなのだぁーーー。
私的には、ひねりのない演出に満足度はイマイチだけど
まあ、これもブロードウェイの楽しみ方のひとつということで・・・ちゃんちゃん
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった 素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
St. James Theatre
246 West 44th Street
New York, NY 10036 US
先週のスポーツニュースで話題になった松井秀喜の引退セレモニー。
この私もNY在住18年目にして、初のヤンキースタジアムでゲーム観戦へ!
野球に疎い私は、てっきり松井が試合に出場すると思い込んで臨んだのだけど
引退セレモニーだけだったのですねー、汗
式典には彼のご両親と弟さんも出席され、
ご家族が球場の大スクリーンに大写しで紹介されましたー。
しかし、一日だけヤンキースの選手として再契約して
引退させてあげるというヤンキースの計らい、粋だね!
残念ながら、松井がバッタボークスに立つ姿は見られなかったけど、
イチローの活躍(この日の彼は、三打席二安打!)は見れたし、
大リーグの興奮もビンビンに感じたし、文句なし!
さて、その翌日、観劇したのが今シーズンの新作
ビートルズのミュージカル・レビュー「LET IT BE」。
お席は、劇場ど真中の前から5番目。
その2列前に、アジア人の初老のご夫婦のお姿が・・・
仲睦まじく座ってらっしゃるじゃない。
あのお行儀の良さはゼッタイに日本人・・・
なんて見ていると
な、な、なんと、そのお二人は・・・・
あの松井選手のおとうたまと、おかあたまじゃあーりませんか!
ちなみに、松井選手はいなかった、泣
ま、お二人の話は置いといて・・・
初演されたばかりの「LET IT BE」。
一言でいうと、
ブロードウェイ版ビートルズのものまねショー
出演者はシンセ担当を入れて5名。
それぞれが、若かりし頃のポール、レノン、リンゴ、ハリスンにそっくり
これに、ビージーフォーのグッチ裕三が加わったら、
まさに、フジテレビの人気番組「ものまね王座決定戦」豪華版だぜよー
つづく
上げ膳据え膳のお袋様の味三昧だった日本滞在が、ちと恋しい今日この頃
なにしろ私の味覚を乳飲み子の段階から開発し続け、
すべての嗜好を把握し、
偏食のディテールまで知悉した彼女が、
久しぶりで腕を振るって挑んでくるわけですから、堪ったものではありません!
まず彼女の繰り出してくる先付けの呼子のイカの刺身。
世間じゃぁ振り向かれる事も無い当たり前のレシピではありますが、
ここに母はさしみしょうゆとワサビでなく、
なーんと混ぜた新鮮な生タマゴにちょっとしょうゆをたらしたタレでいただく。
「野菜ば食べないかんとよ!」が口癖の母
キャベツ、リンゴ、トマト、タマネギを山盛りにしたサラダを
毎食かかさず出してくれる。
それら野菜の新鮮さと香りの良さに気絶寸前!?
今回、特に感心したのは枝豆。
枝に付いた豆をとって茹でた物の香りは濃厚、枝まめそのまんま
もう、ニューヨークで冷凍食品の枝豆を買うことはない!
メインは、私の大好物海老や魚のフライ
最後は、炊きたても御飯とワカメのお味噌汁に
もちろん、テーブルには博多明太子も。
こんな食事を、朝、晩頂いていたわけで・・・
私が、日本を恋しがっている理由をわかっていただいただろうか!?
皆様は、夏休みを日本で?
はたまたハンプトンの避暑地で?
七月の終わりのころって、夏休みも始まったばかりで、暑さも新鮮。
宿題もまだまだ心配いらない。などなど余裕かましたりして。
これが八月になると、倦怠と焦燥・・・・云々・・・
これってヒトの一生にも当てはまる図式かもww
私も、やり残したたくさんの宿題を抱えて右往左往しながら、おさんどんする毎日。
でも、おさんどん嫌じゃないんですよー。
実は、私にとって食事を作ることは、一種のセラピー、
癒し、ひいては舞台稽古と本番というプロセスの日々の繰り返しにも通じる楽しみであり、
日々の些末な家事のなかで一つ
そんな心持ちでやってみるのはステキな事なのでないでしょうか?
因に、掃除&インテリアコーディネーションは、相方の担当。
なんとアイロンかけまでしちゃうんですよー!
やはり好きな事って、家事でも苦にならないんですねー。
家の中が汚い時は、仕事もウマく行きませんから。とキッパリ!
さて、日本弾丸ツアーからNYに戻って来て、
初観劇となったのは、シルク・ドゥ・ソレイユの移動公演「キダム」
ラテン語で「匿名の通りすがりの者」という意味
親にほったらかされ、ひとりぼっちの少女「ゾエ」が
ある日、首の無い男「キダム」と出会ったことで、
ミステリアスな異空間へと旅立つっ・・・てな物語
この作品を一言でいうと、
サーカスの原点にもどったシンプルさ
大人から子供まで楽しめる見せ物が盛り沢山
たとえば、
空中ブランコやトランポリンなどの空中曲芸
縄跳びなどの地上曲芸
ピエロの存在も欠かせません!
日本でサーカスと言えば、
木下大サーカス
ボリショイサーカス
安田大サーカス・・・これはお笑いかwww
しかし、日本でのサーカスの人気を不動のものにしたのは、
シルク・ドゥ・ソレイユの「ファシナシオン」だよね!?
また、シルクの名を世界に轟かせたのは、ラスベガスで上演されているO(オー)の大ヒットから?
残念ながら、わたしゃーまだ観てないのだけど、
巨大なプールになってしまう舞台装置が凄いとか!?
また、かなりセクシーで大人向け?
観た方いたら、教えてちょーだい!
因に、私の初シルクは2003年の「Varekai(バレカイ)」
マンハッタンから、えらい離れたある島の広大な敷地に特設テントを張っての上演だった
森奥深くの幻想的な世界をイメージにした舞台装置と
故石岡瑛子の玉虫色を基調にしたような芸術的な衣装デザインにルルラララー(美し過ぎて怖かった)
それを見るだけでも私の芸術的なセンスが研ぎすまされ、
人間の極限に挑むパーフォーマーを観た際には、
彼らの生き様に心打たれ、私号泣したもんね!
また、過去に観劇したのは
Corteo(コルテオ) ピエロの物語
Kooza(クーザ)ある少年の自分探しの旅
Zarkana(ザルカナ) 魔術師の物語
サーカスを超越した芸術性には脱帽!
が、しかーし
ここ数年、ちと凝りすぎちゃったかーー?
アートを意識してサーカスとしてのあるべき姿から逸脱していたようなところもあったのでは?
が、「キダム」は、サーカスの本来ある姿にもどったね
目を見張る空中曲芸や手に汗握るアクロバットをふんだんに
サーカスに欠かせないピエロの素人いじりは、今も昔もかわらず大爆笑
我らがニッポン代表として、世界の縄跳びチャンピオン田口師永もキダム役で出演!
なにせ会場が広いから、彼のお顔はよく見えなかったけど、
均整の取れたナイスバディであることはよーくわかったぞ!
ゴー、ゴー、ニッポン人!
ガンバレ、ガンバレ、ニッポン!
日本で観ると一人1万円はくだらない「シルク」のチケットも
NYだと大人45ドルから、子供12歳以下なんて36ドルから
韋駄天走りで劇場へ走るべし!
ミュージカルって、ブロードウェイって、サーカスって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった 素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★★
公演は7月28日(日)までの限定公演
Friday, July 26 at 7:30 p.m.,
Saturday, July 27 at 3:30 p.m. and 7:30 p.m.
Sunday, July 28 at 1:00 p.m. and 5:00 p.m.
会場は、ブリックリンと、ちと不便だけど
地下鉄降りたら、その前が会場だから超便利
Barclays Center is located directly above the Atlantic Avenue Barclays Center subway station,
served by the following lines: 2, 3, 4, 5, B, D, N, Q, R
Barclays Center in Brooklyn
620 Atlantic Ave, where Atlantic Ave and Flatbush Ave.
先週は、ある芝居の原稿書きでアプアプ
昨日は、我が家の近くで「ジャパン・ディ」やってたのにー
一歩も外へ出ず・・・
というのも、
原稿の掲載誌の読者は業界の重鎮数多
またとない、晴れ舞台かもしれんので
鼻血出るほど踏ん張ってたんすよ!
しかし、それもおわたおわた、イェーイ!
今週はブログの更新がんばりまーーーす!
さて、本ブログで紹介した「マチルダ」と「シンデレラ」
そのライバル「アニー」を紹介しなかったら不公平
ということで、単刀直入に
「アニー」行きまshow...
難しい話は蘊蓄コーナーでするとして
絶望の中で希望を失わない孤児アニーの生き様に多くの人が共感
ありきたりないい方だけど、
多くの人に愛されているミュージカル
日本ではブロードウェイ初演の1978年から
上演が繰り返される子供ミュージカルの王道中の王道
ちなみに毎年行われるタイトルロール「アニー」のオーディション
めちゃ競争激しいらしいよー!?
見どころ
◎ 逆転満塁ホームランのハッピー・エンディングで
超判りやすいストーリー。まさしく、ミュージカルの初心者にはぴったり!
◎ニューヨークの小学校で歌合戦したら、ほぼ全員の生徒が選ぶのでは?
それほど有名は曲「トゥモーロー」をはじめとするミュージカルナンバー
◎舞台経験豊富な若干11歳のアニー役、リラ・クロウフォードの名演技、
愛らしさ、物怖じしない度胸、天まで届きそうな伸びのある歌声
私から"金の鳩賞"を贈呈しておくわ!
◎アニーと仲良し野良犬サンディ・・・動物好きには堪らないぜよ
酸いも甘いも噛み分けた
海千山千の私でも、
ほのぼのシアワセ系の
ミュージカルに心動かされ、
アニーが歌う名曲「トゥモロー」の歌声を聞いた時には
目がウルウル
続きは次回!