ニューヨークのエリック・アダムズ市長が、外国政府関係者などから違法な献金や接待を受けたとして収賄罪などの罪で起訴された汚職事件についてトランプ政権が起訴取り下げを指示。波紋が広がっています。起訴の取り下げに抗議して、連邦検事など7人が相次いで辞任した数日後にはニューヨーク市の副市長4人が辞任を発表。アダムズ市長への辞任を求める声も高まっています。
エリック・アダムズ市長が去年9月に収賄罪などの容疑で起訴された汚職事件について、今月10日、トランプ政権が司法省を通して起訴の取り下げを指示。
これを受けて、13日にはマンハッタン連邦検察官のダニエル・サスーン検事ら7人が起訴の取り下げを拒み、相次いで辞任しました。
辞任した連邦検事は、アダムズ市長側が、トランプ大統領の不法移民取り締まりに協力する見返りとして起訴を取り下げる要求をしたと主張しています。
17日(月)には、ニューヨークの副市長4人も辞任を発表。市民からは、アダムズ市長に辞任を求める声が高まっています。
ニューヨーク市議会のエイドリアン・アダムス議長も、「エリック・アダムズを市長とする執行部にこの市政を運営する能力はもはやない」と声明を出しています
アダムズ市長はブルックリンの区長だった2014年以降、10年にわたってトルコ政府の関係者から違法な献金や航空券、高級ホテル宿泊などの接待を受けたとして、起訴されました。
アダムズ市長は容疑を否認し、無罪を主張。今年11月に行われる市長選にも再選をめざし立候補を表明しています。
ニューヨーク市 エリック・アダムス市長
「何も悪いことはしていません。
試練の中で唯一言いたい事は法的なことは弁護士に任せて
私は引き続き市政を担っていくことだ。」
18日(火)にはニューヨーク州のキャシー・ホークル知事が、ニューヨーク市の主要なリーダーと今後の対応について協議。知事の権限で可能な
市長の罷免についても選択肢の一つとして検討しているとしています。
19日(水曜日)には ニューヨーク州連邦裁判所でヒヤリングのあと起訴取り下げの判断が下されるとみられましたが連邦検事は、すぐに判断することを拒みこの日はそのまま閉会しました。これを受けてホークル知事は現段階では市長を罷免することはせず、政権との取引から市民を守るため市長の行動を監視する2重3重の制限措置を提案し、その上できたる11月の市長選挙で 市民の判断を仰ぐとしました。トランプ大統領はニューヨーク州がマンハッタンの渋滞緩和のためなどに導入した渋滞税の撤廃にも動いておりニューヨークとトランプ政権との確執が深まっています。