市の職員1万人近くがストライキを敢行し、収集されないゴミが街の至る所に積み上がる様子が大きなニュースになっていたペンシルベニア州フィラデルフィアで、市と労働組合が暫定的な合意に至ったと発表されました。
フィラデルフィア市の職員が加入する労働組合「第33地区評議会」は、今月1日、市当局との新たな契約内容が合意に至らなかったとして、賃金の引き上げや より良い福利厚生を求め、ストライキに突入していました。
このストライキには、ゴミ収集作業員や公共施設のスタッフなどの市の職員1万人近くが参加。警察官や消防士はストライキに加わらず、また緊急通報の通信指令員や一部の水道局の職員などは裁判所の命令で職場に戻ったものの、家庭ゴミの収集は一時停止され、一部のプールや図書館といった公共施設が閉鎖されるなど、市民の生活に大きな影響を与えていました。
そして、ストライキが9日目に入ろうとしていた9日水曜日、交渉を重ねていた市と組合が早朝に暫定的な合意に至ったと発表されました。
シェレル・パーカーフィラデルフィア市長
「私たちは労働組合と新たな3年契約で暫定合意に達しました。組合員の承認で、去年11月に合意した1年間の契約延長と合わせ、私の在任4年間に組合員の給与が14%増加することになります。」
この暫定合意には、今後3年間、毎年3パーセントの賃金の上昇が含まれます。 また、給与の段階的な引き上げのタイミングを一段階増やし、勤続年数の長い職員はより恩恵を受けられるようにする、と市長は発表しています。
合意では、今後3年間、毎年3パーセントの賃金の上昇が認められます。
また、給与体系に5段階目となる 2パーセントの昇給段階を追加し、
勤続年数の長い職員はより恩恵を受けられるようにする、と市長は発表しています。
一方、組合側はストライキ前に4年間毎年8パーセントの賃上げを求めていて、ストライキに入ってからの交渉では、3年間毎年5パーセントの賃上げに譲歩していました。今回の合意の内容は組合側の要求には遠く及ばない結果です。
リポーター「内容に満足していないならなぜ合意したんですか? 」
グレッグ・ボウルウェア組合長
「考慮しなければならないことがたくさんありました。最終的に組合員全てに最善だと思えることをしたんです。 」
組合によると、現在の組合員の給与の平均は年4万6000ドルだと言います。市の職員はもっと良い待遇を受けるべきだという市民の意見は多く、街なかにゴミが積み上がっている状態になっても、ストライキを応援する声が聞かれました。
フィラデルフィア市民
「市長は職員たちに支払うべきだ インフレが進んでいるからね 市長は年に25万ドル稼いでいるし 生活手当も与えられる 年4万8000ドルとか5万ドルの収入の人たちはどうなんだ?
彼らにも生活手当が必要だ 誰だって必要だよ 」
ゴミの収集は14日月曜日から再開される予定で、閉鎖や、営業時間を短縮していた公共施設も通常通りに戻る予定だということです。