今週、NY市場で株価が大幅に下落。その原因や今後の動向について専門家に聞きました。
専門家 みずほ総合研究所ニューヨーク事務所主任エコノミストの松本 惇さん
今週の株価の大幅下落の原因は2つ
1つ目の原因は、経済指標のよさから米連邦準備制度理事会が利上げするという思惑が強まり、それが先行きの実体経済を冷やすという思惑を強め、株価が下がったといいます。
2つ目の原因は、コンピューターが自動的に売買するアルゴリズム取引が影響したといいます。株の下落に反応してアルゴリズムが自動的に株を売り、それで疑心暗鬼になった投資家が株を売り、さらにそれに反応してアルゴリズム取引が売り、それがくり返されて大きな下落幅につながったと理解しているといいます。
リーマンショックのような暴落の可能性は低い
理由は、アメリカ経済や世界経済は良好であることです。もう1つの理由は、世界金融危機のときのような銀行や企業の間での疑心暗鬼が今回はないことです。
為替への影響
リスク回避の円高が進みやすく、それが日本株の下落につながる可能性があるといいます。
在米日系企業への影響
短期的には限定的。株価の下落が続かない限りは大丈夫だろうといいます。今回のように小さなニュースに市場が反応して下落がおきることが今後もあり、それが続くと企業に不安感がつのり、投資を控えたり採用を見送ったりなどマインドの悪化を通じた影響が生じる可能性があるといいます。
今後の市場の動き
全体的に株価は上がっていくと理解。ただし、いろんな不安材料が山積している中、いつどこに市場の目が向くか分からないので、短期的な暴落のリスクは今後もあるといいます。
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ディレクター:石川裕子 |編集:神野寛子 |プロデューサー:浦部靖己