11/6に行われる中間選挙では、上院が35議席、下院が435議席改選されます。トランプ大統領就任以来、分断されたアメリカは保守派とリベラル派で対立構造となり、かつてないほど盛り上がりを見せています。ジャーナリストの津山恵子さんに争点を聞きました。
ジャーナリスト津山恵子
元共同通信記者。NYを拠点に全米で幅広く社会情勢を取材。フォトグラファーも務める。「AERA 」「ビジネス インサイダー」などに寄稿。著書に「教育超格差大国アメリカ」など。
なぜこれほど注目されているのか
2016年の選挙で悔しい思いをした民主派が次期大統領選の流れを変えたいと意気込んでいます。一方、共和派はトランプ大統領を再選させたいと意気込んでいます。最近起きた爆発物郵送事件では、民主派を攻撃したものと見られていますが、共和派の一部は、民主派が仕組んだ陰謀だとしてお互い対立を深めています。
選挙の見立て
上院では共和党が多数派、下院では民主党が多数派をとると予想されていますが、2016年の選挙のように予想を大きく覆す結果もありえます。
トランプ大統領への影響
もし民主党が下院多数派となれば、脱税疑惑やロシア疑惑の関係者が下院に召喚され証言する可能性があります。その場合は、疑惑の核心に迫った調査が進むとみられます。
州知事選での注目
中間選挙では36の州知事選も行われます。その中で政治的に注目されているのがフロリダです。民主党からはアンドリュー・ギラム候補、バーニー・サンダース上院議員から支持を受ける左寄り。共和党からはロン・デサンティス候補、トランプ大統領から支持を受ける右寄り。政界は左寄り・右寄り一騎打ちのフロリダ州知事選を次期大統領候補を選ぶ上での参考にしようと注視しています。
今回の中間選挙の現象
今回は、両党ともにこれまで選挙活動に関心がなかった人も参加するほど熱を帯びてます。民主党からは女性・LGBT候補者が過去最多の出馬。また、フロリダ州高校銃乱射事件の生徒たちは、銃規制に賛成する議員への投票を呼びかける活動をしている。かつてない現象に中間選挙の注目度の高さがうかがえます。
Director:Yuko Ishikawa | Editor:Hiroko Jinno | Producer:Yasumi Urabe