甚大な被害を出したハリケーン「へリーン」への対応をめぐって、大統領選の共和党候補者のトランプ氏が、現役大統領、副大統領よりも早く被災地のジョージア州に赴き、バイデン政権の遅い対応を非難し、両者の言い争いに発展しています。
9月30日月曜日にワシントンDCのFEMA・緊急事態管理局の本部に入ったハリス副大統領は、被災者らに向け語りかけました。
カマラ・ハリス副大統領
「ハリケーンで被害を被り、家族や財産を失い多大なショックを受けている方々、我が国が皆さんと共にあり、そして大統領も私もこのFEMA職員も一緒です」
ハリス副大統領は先週末、大統領選挙活動のスケジュールを短縮しワシントンに向かい、その飛行機の中で、FEMA 長官や被災地の州知事らと電話会談を行い災害対応にあたりました。ノースカロライナ州当局は、大統領や副大統領には、現地での要人警備上の状況からも、すぐに被災地を訪問しないよう要請していたという事です。
一方、トランプ前大統領は30日月曜日に、ジョージア州の被災現場を訪問し地元当局者らから被災状況を聞きました。
トランプ氏は記者団に、ジョージア州のケンプ知事が、災害時にバイデン大統領と連絡が取れずに対応に苦しんだとも発言しました。
ドナルド・トランプ氏
「知事は良い対応をしたが大統領に電話が繋がらなかったらしい。バイデン政権はまともに対応していないようだ」
しかしケンプ州知事は、先週末にバイデン大統領から電話をもらい全面的な支援を申し出ていたと語りました。
ブライアン・ケンプ・ジョージア州知事
「週末に大統領から電話があったが話せなかった 電話をかけ直すと大統領は『何が必要か?』と言ってきたので『必要な物資は今はある、援助は後にお願いする』と伝えた。何かあれば直接電話してと言われてありがたく思う」
バイデン大統領はトランプ氏の発言を「無責任」だと言い、怒りをあらわにしました。
ジョー・バイデン大統領
「トランプ氏は嘘をついている。州知事も彼が嘘をついていると認めた。彼がなぜこんな嘘をつくのかは分からないし、私の事をどう言おうと気にしない。私が怒っているのは、彼が被災者に必要な情報に対して嘘を伝えているからだ。政府が何もしてないと思わせたいのだろうが、私たちはちゃんと対応している」
両者の言い争いは、被害や復旧とは関わりはありませんが、メディアでは、1週間経った今でも救助や復旧が続いているハリケーンへの初期対応は正しかったのかなど、政府の災害対応を指摘する記事もあります。