不法移民に対する「史上最大の強制送還」を公言するトランプ大統領。全米の都市で移民の取り締まりが続く中、強制送還も進んでいます。経由地となる中米パナマやコスタリカには、アメリカで拘束された移民が移送されています。
トランプ大統領が最優先課題としてきた不法移民に対する大規模な国外追放の方針を受けて、移民の強制送還が始まっています。
12日にはアメリカから強制送還された移民、119人がパナマに到着。ホテルに収容された後、パナマ南部にある収容所に移動。その後、出身国に移送される予定です。彼らは収容施設からの外出は許されていません。
パナマ
フランク・アブレゴ治安相
「パナマ国民の安全と平和を守るため、
移民には国内での移動を許可していません。
必要な医療サービスや食事は提供しており、
最後の一人がこの国を離れるまで協力します」
パナマ当局は12日から始まった3回の移送で、およそ360人の移民受け入れを予定しています。
20日には、コスタリカに65人の子供と2人の妊婦を含む135人の移民が移送されました。移民はパナマ国境近くにある収容施設にバスで移動し、最長6週間拘留された後、出身国に送還される予定です。
今月初めにルビオ国務長官が中南米を訪問した際、不法移民の強制送還をめぐり、パナマやコスタリカ、グアテマラなどが中継点となり一時的に受け入れることで合意しました。対象となるのは中国、インド、アフガニスタンなどアジアからの移民が中心で、アメリカ政府が全ての費用を負担するとしています。
キューバにあるグアンタナモアメリカ海軍基地にも不法移民を収容するとしています。基地には2001年に起きた同時多発テロ事件などの 外国人テロ容疑者収容施設とは別に、移民収容施設があり、その敷地内にテントの施設を整備し3万人の移民収容を計画。テントによる施設の増設を進める中、移民の移送も進めていましたがこの施設には電気や空調がないため、施設の基準を満たしていないとして、収容は一時停止されることになりました。
国土安全保障省によりますと、トランプ大統領の就任以降1ヶ月間で、およそ3万8千人の不法移民が強制送還されました。これに対して、トランプ大統領は取り組みが十分なスピードで進んでいないと不満を示し、不法移民の取り締まり、強制送還を担うICE 移民関税執行局 のトップを降格させました。トランプ政権において、不法移民の取り締まりがいかに重要かを示しています。ただ、移民の大量送還には多くの人員や時間、施設が必要で現状では全てが足りていない状態だという指摘もされています。