フロリダの広大な湿地帯、エバーグレーズにある古い滑走路を利用して新たな移民収容施設が建設され環境保護や安全面など観点から非難の声が高まっています。周辺には大量のワニや巨大なヘビなどが生息していることから脱獄不可能と言われたカリフォルニア州にあったアルカトラズ島の元刑務所にちなんでアリゲーター・アルカトラズと呼ばれています。
フロリダ州南部のエバーグレーズは広大な湿原地帯でユネスコ世界遺産として登録されその大部分が自然保護区となっています。
その最北端に位置し、環境破壊への懸念から建設が途中で中止されていた滑走路に3000人を収容する新たな移民収容施設が設置されました。この施設はたった8日でつくられたものでテントや仮設住宅が並び水や電力、空調、そして下水などは移動式設備で賄うということです。
現場はマイアミから西に72キロ、湿地帯に囲まれる孤立した場所で、大量の蚊が群がりワニやパイソンと呼ばれる巨大ヘビなどが生息しています。夏は暑く、ハリケーンシーズンには洪水被害も予想されています。このため環境破壊や収容者の安全が心配されています。
しかし1日(火曜日)この施設の視察に訪れたトランプ大統領は、まさにそこが利点だとしています。
ドナルド・トランプ大統領
「厳重で素晴らしい
大量のワニがボディーガードや警察の役目をしてくれる
給料はいらないから安上がりだ」
また、滑走路があることから不法移民の移送に最適な場所で危険な環境は逃亡脱獄を阻止すると同時に自主的にアメリカを出国する不法移民が増えるとしています。
フロリダ州
ロン・デサンティス知事
「自主的に帰国する選択肢があるのです
アリゲーター・アルカトラズにくる必要はない
多くの人が考えて判断するでしょう」
一方、突然、施設が出現したことに反発する声は高まっています。トランプ大統領の施設訪問に合わせて周辺の道路でデモが行われました。
デモ参加者
「野生生物やその生息地を危険にさらすことになります
続けられてきた自然環境の修復作業が損なわれ帳消しになる」
デモ参加者
「ここは怖い場所ではありません
ワニやパイソンは人間を恐れています
警備員にはなりません」
アリゲーター・アルカトラズには2日(水曜日)から移民の収容が始まっていて有刺鉄線に囲まれた施設の収容人数は、現在は3000人ですが今後5000人にまで増やす計画です。
メディアが取材をする中施設内では早くも水漏れが確認され床に水溜りができる事態が発生しています。施設の安全性を疑問視する声が高まっています。