高齢者用介護施設で火災が発生。これまでに少なくとも10人が死亡30人以上がけがをしました。マサチューセッツ州でおよそ40年ぶりの大きな被害となった今回の火災では施設の不具合など施設内の問題に加えて消防の人手不足も指摘されています。
13日(日)よる9時半すぎ、マサチューセッツ州フォールリバーにある高齢者用介護施設で火災が発生。消防署と直結している火災報知器が作動し30人以上の消防隊員が現場に駆けつけました。
しかし火はすでに燃え広がっており10人が死亡、30人以上がけがをしました。消防士に窓から救出され難を逃れた住人は...
施設の住人
ロレーン・フェラーラさん
「スプリンクラーから出てきた水が熱くて背中が焼けそうでした
部屋にもどって2階の窓から叫んで助けを求めました
もう死んでしまうと思いました
まだショックです
何人もの友人を失いました」
現場に駆けつけた消防士は高齢者の救出に取りかかりましたが窓から助けを求める人に加えて酸素吸入機をつけていたり車椅子に乗った人たちが多く救助が難航したということです。
フォール・リバー消防士組合
マイケル・オーリーガン委員長
「私が現場に到着したときには
見えている人を助けるのか
見えない被害者の捜索を行うのか
両方同時にできずに隊員たちが圧倒されている状態でした」
当時、介護施設には69人の入居者がおり消火活動をしながら効率的な救助を行うには現場の消防士が足りなかったという指摘も出ています。
国際消防士協会
エドワード・ケリー代表
「消防士が32名しかいませんでした
あと8人いたら
あと5人の命を救えたと思います」
これに対しフォールリバー消防署所長も人手不足で時間外労働を強いられ現場での対応や消防士の安全にも大きな影響を与えているとしています。
一方、施設内の設備に不備があったという声も出ています。
入居者の親戚
「正直、驚いていません
この施設の状態はよくありませんでした
エレベーターが壊れていた9ヶ月間、
親戚は部屋から出られなかったのです
それで今回の火災ですからね」
この施設は1999年から運営され100人を収容できる介護施設で入居者の自立を促し職員が24時間対応していたということです。
施設内食堂
ポール・フェレイラ料理長
「冗談を言ったり笑ったり仕事を超えて家族のようになるんだ
多くの入居者がメンタルな問題も抱えていたから
会話を通じて少しでも楽になればと思っていました」
今回の火災には事件性はないと見られていますが火災が発生した時に施設内には少なくとも2人の職員がいたとされ火災の原因と同時に被害を拡大させた原因究明を求める声が広がっています。