23年間連れ添った妻を計画的に毒殺したとして、第一級殺人などの罪に問われている元歯科医師の男の裁判が今週始まりました。
コロラド州で歯科医師をしていたジェームズ・クレイグ被告は、2023年3月、妻アンジェラさんのプロテインシェイクに毒物を入れて殺害したとして第一級殺人の罪に問われています。
アンジェラさんは死亡する前、めまいや頭痛などの症状を訴え10日間に3度、病院で診察をうけていました。原因が特定できず入院したあとに容態が急激に悪化。脳死判定を受け死亡しました。15日火曜日に始まった裁判の冒頭陳述で、検察側は、クレイグ被告は当時、他の女性と不倫関係にあり、また、経済的な問題を抱えていたとして、保険金目当ての殺害の可能性を示唆。アンジェラさんの飲み物に複数回に渡って毒物を入れ、アンジェラさんが入院した後も、毒物を投与していたと主張しました。
ライアン・ブラックレー地方検事補
「彼は彼女を殺害するために病室に入りました。致死量のシアン化物で意図的に彼女の命を奪ったのです。また、10日間かけて、ネズミの駆除によく使われるヒ素という毒物で彼女の命を奪いました」
一方で弁護側は、捜査当局はクレイグ被告への偏見と憶測に基づいて被告を起訴したと主張。他の女性と不倫関係にあったことは否定しないとした上で、被告の浮気は珍しいことではなく、アンジェラさんも把握済みだったとしています。
弁護人 アシュレイ・ウィッサム氏
「検察は被告が本当に悪い人間だというでしょう。浮気者で それが殺人の動機だと。筋が通りません。23年以上の結婚生活で、それは何も新しいことではなかったのですから」
また、アンジェラさんは生前、自分のことを「壊れている」と表現していたとして、苦しんだ末の上での自殺だったとほのめかしました。
クレイグ被告は、アンジェラさんを殺害した第一級殺人罪に加えて、逮捕され、勾留されていた時に、この事件を捜査していた刑事など4人の殺害を企てたとして、殺人教唆や偽証教唆など、5つの罪に問われています。クレイグ被告は全ての罪で無罪を主張していますが、裁判中も勾留される予定で、有罪になれば仮釈放なしの終身刑が科せらされる可能性があるということです。