今年11月に行われるニューヨーク市長選挙に向け、民主党の候補者を決める予備選挙が行われました。現職のエリック・アダムズ氏のスキャンダルなどを受けて候補者が乱立。 クオモ前ニューヨーク州知事が最有力候補と目されていましたがおおかたの予想を覆し、33歳のゾーラン・マムダニ氏が当選確実となる驚きの結果となりました。
熱波に見舞われた24日火曜日、ニューヨーク市長選の民主党候補者を決める予備選挙が行われました。トランプ大統領の二期目に、民主党がどのようなリーダーを求めているかをはかる上でも注目されたこの選挙。セクハラ問題で2021年にニューヨーク州知事を辞任し、政界への返り咲きを狙うアンドリュー・クオモ氏や、自らを「民主社会主義者」と称する33歳のゾーラン・マムダニ州議会議員。また、先日、移民の連行を妨害して当局に一時拘束され話題になった市の会計検査官、ブラッド・ランダー氏など11人が乱立していました。
選挙運動期間中、一貫して最有力候補と見られていたのは、政治家としての経験が豊富で知名度が高く、政界での人脈も広いクオモ氏でした。
一方、出馬当初は知名度がほとんどなかったマムダニ氏は、ニューヨーク市の高い生活費を鋭く批判する選挙活動で勢いづき、民主党内で人気の高い急進左派のバーニー・サンダース議員やオカシオ=コルテス議員の支持を獲得していました。
選挙戦はこの2人の一騎打ちの様相を呈していて、勝敗が決まるには時間を要すると見られていました。しかし投票終了後、数時間でマムダニ氏が優勢となり、最初の開票結果が届いてから2時間も経たないうちにクオモ氏が敗北を認め、マムダニ氏に祝意を伝えたということです。
ゾーラン・マムダニNY州議会議員
「今夜、私たちは歴史をつくりました。
ネルソン・マンデラ氏いわく「成し遂げるまでは不可能に思える」 私たちは成し遂げたのです。」
市の選挙管理委員会によりますと、24日の午後10時30分時点で、マムダニ氏は44パーセントの得票率を獲得。クオモ市は36パーセントにとどまりました。この選挙は、有権者が候補者に順位をつける方式で行われ、当選には過半数の票を獲得する必要があるため、正式に勝敗が決まるのは来月になる見通しですが、アメリカメディアはこの結果について、「驚くべき番狂わせ」と報じています。
マムダニ氏が11月の本選で当選すれば、ニューヨーク市で初めて、イスラム教徒でインド系アメリカ人の市長が誕生することになります。
本選には、収賄疑惑などで世論の強い反発を受けている現職のエリック・アダムズ市長が無所属で出馬する意向を示しているほか、クオモ氏も無所属での出馬の可能性を示唆しているということです。
投票日当日は熱波に見舞われ、支持者の年齢層が高いクオモ氏には不利だったとも言われています。 この結果を受けて現職のアダムズ氏は早速マムダニ氏の政界での経験の浅さを攻撃していて、アメリカ最大の都市の市長選挙はまだ目が話せません。