イスラエルによるガザ地区への攻撃を受け親パレスチナの抗議活動を先導し、反ユダヤ主義の暴力行為があったとしてICE移民税関捜査局に拘束されていたマフムード・カリル氏がおよそ3ヶ月ぶりに保釈されました。
ICE移民税関捜査局に拘束され104日間勾留されていたマフムード・カリル氏が20日(金)、裁判所の命令を受けルイジアナ州の移民勾留所から保釈されました。
ニュージャージー州の空港に到着したカリル氏は記者団に対しパレスチナの解放とともに移民の人権と言論の自由を訴えました。
マフムード・カリル氏
「国民であれ、移民であれ、この地にいる人は違法ではない
人権は同等にあるべきだ」
両親がパレスチナ人のカリル氏はニューヨークのコロンビア大学の大学院生だった今年3月、ガザ地区を攻撃するイスラエル側の行動には人道的な問題があるとして行われた大規模な親パレスチナ抗議活動の中心的な存在だとして政権に拘束されていました。
ニュージャージー州の地方判事は今月20日、アメリカに合法的に滞在し、いかなる暴力行為でも告発されていない人物が長期間勾留されるのは極めて異例だとして、弁護側の請求を認め、カリル氏を保釈する判断を下しました。
カリル氏保釈を受けて大勢の支持者がニューヨークに集まり再びカリル氏とともにパレスチナ支持と移民の権利を訴えました。
「川も海も、パレスチナに自由を!」
カリル氏は アメリカ人の妻を持ち、永住権を持っていますがトランプ政権は反ユダヤ主義からくる差別的な行為があったとして永住権を剥奪するとしています。しかし法的にはこれは難しいとされています。
大学などで抗議活動が活発に行われていたときカリル氏を筆頭に、複数の学生デモ参加者が拘束されましたが他の参加者たちは全員、申請が認められ保釈されています。しかしカリル氏は抗議活動の象徴的な存在で最後まで保釈されず抗議活動参加者の拘束は言論の自由を奪う行為だとして非難の声が高まっていました。
今後も政府はカリル氏の国外退去を求めていく予定でカリル氏の法廷闘争は続くことになります。