3年前、交際相手を車でひいて死なせたとして殺人罪に問われていた被告の女性に、無罪とする評決が言い渡されました。
カレン・リード被告は2022年1月、マサチューセッツ州ボストン郊外で、酒に酔って車を運転し、交際相手で警察官のジョン・オキーフさんをひき逃げして死なせた罪に問われていました。第二級殺人罪や故殺罪などで起訴され、最大で終身刑が科される可能性があったこの裁判で、18日水曜日、陪審員は、第二級殺人と故殺罪について無罪とする評決を下しました。酒気帯び運転については有罪で、リード被告は1年間の保護観察処分を受けることになります。
この裁判で検察側は、リード被告がオキーフさんを車でひいて走り去り、雪の中に置き去りにしたことでオキーフさんは死亡したと主張していました。これに対し弁護側は、リード被告はオキーフさんを、同僚の家で行われたパーティーに送り届けただけだと主張。オキーフさんは家の中で死亡し、その後外に 引きずり出されたとして、警察がリード被告に濡れ衣を着せようとしているとの見解を示してきました。
発生当時からこの事件は全米の大きな注目を集めていて、去年行われた裁判では、オキーフさんの死へのリード被告の関与をめぐって陪審員の意見が一致せず、審理無効になっていました。それから一年近くが経過し、再び評議が行われていたこの日、裁判所の前にはリード被告の支援者が大勢集まり、評決が言い渡されるのを見守りました。
裁判官
「事故死の現場から被告が立ち去った件について無罪ですか?有罪ですか?」
陪審団代表
「無罪です」
カレン・リードさん
「私とチームを4年近くの間 経済的に そして精神的に支えてくれた
このすばらしい支援者の方々がいなければ
私はこうして立つことはなかったでしょう」
一方、リード被告とオキーフさんの知人で、検察側の証人として裁判で証言台に立った複数名が、評決が出たあと共同で声明文を発表。「リード被告や弁護団、一部のメディアによって広められた嘘と陰謀論が、今回の誤った評決につながった」として非難しています。
カレン・リードさんは罪に問われてからもテレビなどのインタビューに応じ美人経済アナリストが交際相手の警察官を殺害した事件としてまるでリアリティテレビのように全米の注目が集まっていました。その背景には汚職など警察内部の腐敗を指摘する事件が後を立たずそれに対するボストン市民の警察への不信感があると報道されています。